SnowManの紅一点、定期的に生存確認される無気力系女子。

昔の話だって。 ページ40

.














俺らが悪かった。俺らがいけなかった。





「大丈夫」と言って笑う彼女の裏側まで覗こうとしなかった。
あれだけの嫌がらせを受けてまともな状態を保てる人など、
もうとっくに精神状態が狂っているということくらい、想像出来たはずだ。

笑ってる姿を見て、あぁ本当に大丈夫だ。そう思い込んでしまった。



... いや、そうであって欲しかったから、それ以上踏み込まなかったのかもしれない。
きっと心のどこかで俺も、俺らも、気付いていたはずだ。
自分の中でいつの間にか作り上げていたAの像を崩したくなくて、そのままでいて欲しくて、
それ以上聞こうとしなかった。





なんと自分勝手な、クソみたいな話だろうか。
自分のことなのに、... いや、自分のことだから、余計に腹が立って仕方がなかった。





目の前で薄笑いを浮かべる彼女に、ただただ申し訳なかった。














.









.










.














あれからどうやって解決に持っていったんだっけか。何も思い出せない。



メンバー全員で泣きながら、叫びながら話し合ったのは多分あれが最初で最後。
たまに酷い言葉も飛び交ったその会話の記憶ごとすっぽ抜けている。
多分、あまりに酷かったから自分が思い出したくないと、忘れるようにしていたうちに
本当に忘れてしまったのだろう。思い出したくもないから、別にいいけど。





「 ね、A。 」


「 ん？ 」





だから思うのだ。今ならきっと、

Aはもっと俺らを頼ってくれる。
俺らはもっと、Aのことを助けるから。





「 今度はちゃんと、頼ってね。 」









今度はちゃんと、守ってみせるから、さ。














▷

最近の生存確認だって。→←昔の話だって。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す