聖ヴァレンタイン日!其の弐 ページ33
Aside
太「ねぇA」
先刻迄不気味な程静かだった太宰がやっと口を開いた。
A「何?」
少しドスの効いた声で聞き返す。此奴にはこれぐらいが丁度良い。
太「中也から何貰ったの?」
A「簪。ほら此れ。」
太「着けるの?」
A「折角貰ったし付けようかな。」
不意に太宰に太宰に抱き締められる。何時もより力が篭っており、逃げ出すのは私の力では不可能だった。それに、奴の顔は何時もとは打って変わって真面目だった。
A「だざ「ねぇA」…だから何?」
太「間違ってもAは馬鹿じゃない。だから、私の気持ちに気付いてない訳無いよね?」
A「どういう意味?」
太「最近中也と一緒に居る事が増えたよね?中也と仲が善いのは知ってるよ。でも…」
A「つまり嫉妬って事ね?」
太「それだけじゃない。聞いてくれ。…私はAが好きだ。本気だよ。君は人に愛させれるのを嫌っている様だけれど、私は君を手放したりしないし、何があっても逃がさないから。」
A「…」
太「A、君の気持ちを聞かせて欲しい。」
A「……ずっと怖かった。誰かに惹かれたらきっと最後は傷付くに決まってる、後悔するに決まってる、って自分に思い込ませてた。太宰の事は好きだよ。大好きだよ。でも、まだ何処か私の本心は愛情とか信頼を拒否してるの。ごめんね太宰。長い間、本当にごめんね。」
太「泣かないでよA、君の性格と過去が関係している事は私が一番良く知ってるよ。安心して、絶対にAを傷つけないし後悔させない。君を不安にはさせないから。」
太宰に云われて気が付いたが、私は無意識のうちに涙を流していた。人前で涙を流したのは何時以来だろう?
小さな子の頭を撫でるように私の頭を撫でる太宰の手が今はどんな言葉よりも安心して、信頼出来た。
A「ありがっ、とう、太宰。本当にっ、ありがっ、とう」
しゃくり上げながら御礼を云う私を太宰は更に強く抱き締めた。
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マカロン - ご指摘頂けて大変有難く思っております。まだまだ未熟ではありますが、これからもより良い作品を書けるよう尽力致しますのでよろしくお願い致します! (2016年11月28日 21時) (レス) id: 88d69b25b4 (このIDを非表示/違反報告)
牡蠣(プロフ) - いえいえ、此方こそ突然失礼しました。 (2016年11月28日 20時) (レス) id: a7c2b6c73c (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - 大変失礼致しました。早急に直します。訂正、ありがとうございます。 (2016年11月28日 20時) (レス) id: 88d69b25b4 (このIDを非表示/違反報告)
牡蠣(プロフ) - 太宰さんは絶対異能力は通じません。夢小説だとしても原作ルールは守ってください。注意失礼しました。 (2016年11月28日 19時) (レス) id: a7c2b6c73c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マカロン | 作成日時:2016年11月28日 2時