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どこかの誰かさん が 居たであろう 、 シェルシーラー 。
白い軍服に エメラルドのブローチを付け 、 その長い美脚を 魅せる男には、まるで 似合わない この街 。
そんな男は 、 可愛らしい笑顔を 振り撒き、住民に近づいた 。
｢ あのあのっ、依頼人サマですか？ ｣
｢ … ！ そうっす、待ってた！！ ｣
｢ 遅れてすみません、白詰草っていいます！ ｣
男 __ 白詰草 は 今回の依頼人の手を握り 、 挨拶をする 。
労働者階級の依頼人 だからなのか、 白詰草の仕草は どこを見ても 洗礼されている 。
熱い視線に 気がついた白詰草は 、 恥ずかしそうに 笑った。
｢ ぁ、えっと、… 話しても、いいですか？ ｣
ああ、なんて 可愛らしい。
依頼人の男は すっかり 白詰草の虜だった 。
｢ 今日は 別の依頼も兼ねて、 此方に来たんですけど .. 。 依頼人サマ、密輸されてるんですね ｣
薄い桃色の 唇から明かされた言葉に 、 依頼人は 雷を打たれたように 心臓が 早まる 。
自分たち は 警察にすら疑われなかった 。 証拠も残さず、… だから、 バレるはずはないのに 。
｢ オニーサン、その 刺繍 … かっこいいね ！ ｣
白詰草 に 刺された腕の刺繍を 、 男は 我に返ったように 隠す 。
その刺繍には 、 堂々と ｢ マーフィン ｣ .. 密輸グループ の 名前があるのだ 。
白詰草に見惚れて 、 隠すのを 忘れてしまった 。
｢ … 仲良くなれると おもったのに！ 残念ですっ ｣
言葉とは裏腹な 弾み方に 、 男は 体を震わす 。
｢ ___ だめだよ？ 密輸 ｣
長い指が 心臓を指す 。
幼いと思っていた その笑顔は、 大人の薫りを纏い 、 出会ったとき よりも 上品に微笑んでいた 。
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作者名：# 朝霧 。 | 作成日時：2023年11月4日 12時
