ペンダント , (ページ6)

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首都・メリアンセルの端 __ 。
街灯や手持ちランプの橙色が街を染め始めた。
此処では、家庭や旦那に飽きた女たちが癒しを求めて、
新しい男を探す、云わばペットショップの人間版だ。
狙った男が同じだったりすると激しく口論をする
この街は今日、女たちの悲鳴で包まれた。

それは今日、この街に現実味のない端正な男が来たからだ。
女たちは皆一様に、目を奪われた。

　｢まあっ、いい御方じゃないの！｣

　｢私と紅茶なんかいかが？｣

　｢貴方様に一目惚れしたのよ。一夜どう？｣

色めき立つ女たちの誘いにも全く無感動な男は、悠々と歩き、
その男らしい指をと指を絡めた。
その仕草さえも、彼の前ではとても美しく感じる。

　｢ .. ゲームセット。さよなら｣

低く何か透明なものがかかった声のあと、背後の女たちが
皆、一斉に膝から崩れ落ちた。糸が切れた人形のように。

　｢ .. 終わったよ、ジーニアス｣

彼は魔法の手を動かしたあと、足元の影へと手を入れ込んだ。