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少し緊張するが 、 向井はドアノブをグッと 捻る 。
すると 本とドールが溢れた 部屋が 目黒と向井を出迎えた。あちこちに本が 溢れており 、 部屋の住人の姿を 捉えることは出来ない 。
もしかしたら 酷く激しい音は 本が崩れ落ちてきたのだろう 。
橙 ｢ さっくん〜〜？どこ〜、…？ ｣
�� ｢ …あ、いた ｣
橙 ｢ へっ、！？ ｣
静かに背後の目黒が 見つけたらしく 、 向井は驚きつつも そちらを見る 。
しっかり見ると 、 本の間に小さな手が 見えていた 。 この手は 部屋の住人のだろう 。
目黒とアイコンタクト を 取り 、 本を退かしていく 。
そして 上半身が見えてきたとき 、 目黒がその手を引っ張った 。
ぴょこっ、と跳ねている桃色の髪が映える男こそ 、 住人 ＿ 佐久間だ 。
佐久間は向井の姿を 捉えるやいなや 、 嬉しそうに飛び付いてきた 。
桃 ｢ こおじ〜〜！！会えた会えた！！ ｣
橙 ｢ ふ、ハハハ…、まだ朝やし、静かにしよか、… ｣
桃 ｢ はあい！ ｣
静かにならない声に 呆れて 視線を逸らすと 、 サイドテーブルの上にあるクッションに鎮座した ブローチを 向井と目黒は見つける 。
糸のように細く複雑な絡みを 見せる 金属と そんな金属が結び付き 、 花を咲かせている 中央部分の金属が 特徴的だ 。
その美しさには 珍しく 目黒も興味を惹かれており 、 向井は 佐久間に声をかける 。
橙 ｢ さっくん、…これ、なに？ ｣
向井に問われた 佐久間は 心底うっとりしたように ブローチを 掌に乗せ 、 微笑んだ 。
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作者名：# 朝霧 。 | 作成日時：2023年11月4日 12時
