先輩、駆け落ちしませんか？

駆け落ち 23 ページ23

【 小瀧 side 】



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ドレスを身にまとったA先輩でも、


通れるようにと裏ルートを作った。


仕事帰りに必ずここに来て、


頑張って考えたんだから、褒めてよ？









外に出ると、照史さんが


「こっちこっち！」と手招きしていた。


後ろを見るとSPがすぐそこまで追ってきていた。









「A先輩、走れます？」


A「相当やばい？」


「……かなり」









A先輩をふわっと持ち上げ、


照史さんの車まで疾走。









ドレスの裾を見れば、


土が付いていて、


「あ〜弁償かなぁ〜」なんて考えた。









照史「のんちゃん、乗ってや」


「A先輩、先乗ってください。ドレス押し込みます！」


A「うん」









A先輩に先に乗ってもらい、


急いでドレスを車の中に押し込む。









SPが追いつくか、追いつかないかぐらいで


上手くドアを閉めて、


照史さんが勢い良くアクセルを踏んだ。









その衝撃で、後ろにこてんと倒れそうになる。


照史さんはケラケラ笑って、


「大成功〜！」なんてご機嫌で言ってる。









照史「…で、どうするん？花嫁奪っちゃったあーとーはっ」


「……何も決めとらん」


照史「ノープランかよ(笑)」









照史さんは再び笑い出した。


その笑い声につられて、


俺もA先輩も笑い出す。









この笑顔に勇気付けられた。


この笑顔にかなり救われた。


次は、俺が恩返しする番…







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