咲いた秋桜 (ページ10)

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倒れてから約1ヵ月。俺はまだ退院はできずにいた。

どうやら本当に呼吸器が弱っているらしい。
寝ている時に苦しくなって起きることも日常茶飯事になっていた。それに一日中カニューレも当たり前になり始めていた。
時にはマスクの時もあるぐらい。

「ねぇ、阿部ちゃん提案なんだけどね、、」

勉強していたら急にやってきた渡辺先生。
先生は俺にとある提案を持ちかけてきた。

「冬休み明けから学校戻る?」

「えっ、」

「お正月ぐらいからおうち帰って体調と相談しながら保健室にはなるんだけど学校戻れるかな、、って」

「いいの、、?」

「うーん、悪化しちゃったけど、最近安定はしてきたでしょ?
高校生も1回きりなんだしね!」

「、、ありがと」

正直、学校にはもう戻れないという覚悟もできていたし、休学だって考えていた。
そんな時に学校に戻れるという嬉しい話。

少しでも入院前の生活に戻れることが嬉しくてたまらない、

でも、少し悪化した俺の病気が怖くて仕方ないのも事実、、

「やっほー」

「あっ、ふっか!」

「なに、テンション高くね?なんかあったｰ?」

「いや、別にぃ〜」

今日はふっかが来てくれた。前にあったバスケの試合観せてくれるらしい。
時期キャプテン候補なだけあってどんどんポイントを入れていくふっか。
小学生の頃からやっているけど生で見たこと無いな～なんて思っちゃったり、、

「さすが、ふっかだわ」

「でしょ。今回はまじで活躍しまくった自信しかないわら」

「いつか俺も生で観たい!!」

「おう。絶対に約束な!!」

絶対に生でふっかの活躍観てやる。

「じゃ、また。」

「うん。今日ありがとね」

「おう。」

結局、ふっかに退院することは言わなかった。
内緒にしててサプライズの方が反応面白いしね。