咲いた秋桜 (ページ12)

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「阿部ちゃん、やっと会えたよぉぉ」

「確かにふっかに会うの久しぶりだわ」

「練習試合のために今回は毎日朝練もあったしぃ」

「そっか、おつかれ!!」

久しぶりにやって来たふっか。
前に来てくれた以来だった。あのあと、また練習試合があったらしい。

しかも相手は強豪校。毎日練習だってLINEで話してた。
俺は試合に見に行けなかったのは残念だが、後々動画をもらってそれで楽しんだ。

「ねぇ、昨日さっくんとなんかあった??」

「えっ、、?」

「うーん、、いつもよりテンション低いんだよね〜」

きっと、昨日の会話だな、、、。
でも、なぜ佐久間がテンション下がるのか。

片思い中の時って1番楽しいんじゃなかったっけ、、前に目黒先生がそう言ってたはずなのに、

「ねぇ、ねぇ、阿部ちゃん!!」

「んっ、何?」

「何じゃなないよ〜さっくんのこと言うと急に表情変えて全然反応しないから心配するじゃん〜」

気づけば、目の前にぷくっと拗ねながら言うふっかのドアップ。
急のドアップに驚きながら軽く謝っておく。

「阿部ちゃんも遂に恋に芽生えたか〜」なんてふっかがそっと呟く。

ふっかも康二も俺が恋してるって、、、

ん?

恋?こい?もしかして、、、?

「ねぇ、俺さ恋してるかも、?」

「もしかして今気づいた感じ!?いや、鈍感な阿部ちゃんだしそうか!、、、、」

俺の一言でふっかはボソボソ独り言のように呟く、
俺ってそんなわかりやすいのか、、

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佐久間のことが(多分)好きと気づいてしまってから、どうも佐久間といる時間は少し気まずい。

好きな子がいるというのに好きになるなんてな、、今思えば諦める方がいいに決まっている。

しっかり顔を見れば大きな瞳にふわふわ髪でまるで女の子。ちょっぴり背が小さくて小動物みたい。

しかし、佐久間には好きな人がいる。つまり、叶わぬ恋ということだ。

初恋は実らないとか言ってたしな、、
いや、まずこれが恋というものなのか分からない。