咲いた秋桜 (ページ1)

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「転校生の佐久間くんね。席は〜」

この時期に転校生か、

夏休みも終わってそろそろカーディガンでも羽織る季節になった頃やってきた佐久間くん。

小柄でふわふわの少し色素の薄い髪の彼に俺は儚いイメージを抱いた。

「ょろしくぉ願ぃします、」

どうやら彼は俺の隣の席になったらしい。

まだ教科書が届いていないから今日一日は佐久間くんと机を合わせる。

「佐久間くんってどこ高から来たの?」

「なんて呼んだらいい-??」

「𓏸𓏸好き-??」

昼休憩時間になれば佐久間くんはクラスの大半の人に囲まれてしまった。

まぁ、転校生あるあるのひとつだろう。
俺は席に座れなくて少し困った。

「ぁの、いっぺんに言われても、、、」

「確かにそうだよな。ごめんごめん。
じゃあ、俺からでもいい??俺深澤辰哉!ふっかって呼んで!!!」

「ぅん。」

このクラスの人気者兼幼なじみにあたるふっかが場を回し始めた。

ふっかが場を回し始めたということは俺はもっと席に戻りずらくなった。

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「失礼しまーす。」

「はーい。って阿部ちゃんどうしたのー?」

弁当を持って俺の居場所のひとつになっている保健室へ向かうことにした。

持病の影響で保健室の常連になっている俺にとってはいい逃げ場になる。

保健室の先生である目黒先生の雰囲気もあってとても心地がいい。

「転校生が俺の席の隣になったんです。そしたら、席に戻れなくなって、、、」

「そっか、、阿部ちゃんはしんどくなってない?」

「全然大丈夫です。」

「そっか、先週の試験はどうだった??」

「えっと、、惜しい間違いで悔しかったんですけどなんとか、、」

「ふはっ、阿部ちゃんはやっぱ勉強熱心で尊敬するわぁ〜」

先週まであった試験は試験一週間前まで入院してた割にはできていた。

試験範囲の授業に出れなかったのはいたかったが、勉強大好きな俺は入院中にできる時はずっと勉強をしていた。

「体調が大丈夫ならそろそろ休憩終わるから教室戻りな。」

「はい。今日、6限目体育あるのでその時また来ます」

「はーい。じゃあ、待ってるね、」

そう言いながら笑顔で手振る目黒先生に背を向けて自分の教室に向かう。