〘JSB3〙H.T×T.I ページ3
一日の最後
SHLが終わって荷物をまとめて校舎裏の駐輪場の外れに向かう。
ちょうど職員室から見えないように置かれているいかついバイクの上に座っているスパイラルパーマの髪の彼はこっちにまだ気づいていないようで少し隠れて眺めて見る。
きれいな横顔をしてたまに欠伸をしながら誰かに電話を掛ける彼。
ずーっと眺めていたいなぁなんて思ってたらスマホの着信音がなった。
岩「あぁ！！うるさいうるさい！！」
大きな声を出してしまって彼の方を見ると案の定こっちを向いていた。
臣「何やってんの？www」
臣「こっち来なよ」
優しく微笑むその顔は学校一の不良と恐れられている顔ではなかった。
岩「今日は？授業受けたの？」
臣「んなもん受けるわけねぇだろ」
岩「なんでよwwここまで来たのに」
臣「俺はお前を迎えに来てるだけ。ちゃんとヘルメットしたか？腕は腰に回しとけ。ちゃんと捕まっててな」
そう言ってバイクを発進させる彼
登坂広臣は俺の一個上の先輩で俺の彼氏
臣「そういや、テスト期間終わったんだよな？」
岩「うん。今日までだった」
臣「じゃあ、ちょっと遠出すっか」
さっきよりもバイクを飛ばして着いた先は海だった。
岩「海だ〜！！」
岩「ねぇ臣さん！早く早く！！」
はしゃぐ彼はまだまだ幼く見えて可愛い
浜辺に座って夕日を見ていると珍しく臣さんから手を繋いできた。
岩「んふふふ////」
臣「剛典」
岩「ん？…ｯ……臣さん？///」
臣「また来ような」
岩「うん。約束ね」
それから数年後
広臣はそんなこともあったなぁなんて思い出しながらその浜辺に来ていた。
二人ではなく一人で
あの約束をしてから数年後
彼は不慮の事故で亡くなった。
原因は加害者による飲酒運転。剛典は即死だったと聞かされた。
聞かされただけで会うことはできなかった。
俺は剛典の両親から嫌われていたから。
会えるならもう一度だけもう一度だけでいいから……
臣「会いたい……ｯ………」
fin＿＿＿
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作者名：皇 宵 | 作成日時：2022年4月17日 13時
