検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:11,343 hit

Sugar#坂本さん ページ7

You've got me feeling now, baby
You've got me on my knees, baby
Put it down on me

愛想のない猫のような態度の彼女は距離感覚がまるでない。

「近いよ…A」

「ん…」

「んんっ…」

僕がそっと彼女の方を向くと熱いキスが僕の口内を侵した。そこにはきっと駆け引きなんてのはないのだ。ただ本心で、本能で、何かを求めている。

「ほどほどにしなよ、僕ら付き合ってないんだよ」

僕の多弁も彼女は無視して太ももに乗せた雑誌をペラペラと読み始めた。見てわかる、一方通行の愛。
彼女→僕
じゃない
僕→彼女

キスされる理由が未だにわからぬまま、今日まで来ているのだ。何度か聞こうと思った。けれど僕にはそんな勇気なんてこれっぽっちもなかった。
ベランダで月の光を浴びて、笑うAが綺麗で、悔しくなって、なんだか久々にいい気分になって僕も一緒に笑った。

僕と会っていたことをまるでなかったことの様に、僕の想いも、視線も、思い出も、何もかもなかったのようにするそんなAの瞳でさえ愛おしい。

僕はほんとにダメかもしれない。君なしでは生きてはいけない。もうお手上げだ。

「もう一度だけでいい。抱き締めて、癒して。」

お願いだから夢でもいい。僕が愛した君の記憶ごと、全部抱き締めて。言葉なんて一切いらない。

君の冷たい視線も、熱いキスも、少し冷えた腕で暖かく抱き締めてくれるその行為も。僕の理性を砂糖のように溶かしていく。

吐息も、眼差しも、甘ったるい時間も、全部が僕を疼かせる。その時に戻りたくて堪らなくなる。

君は左の薬指に光る玩具を弄んでため息をつく。
僕を見つめる瞳が妙に悲しげで、辛そうだった。そんなに辛いなら取ればいい。僕が新しく、一生取れない指輪を付けてあげる。

あぁ、愛おしいA

君は僕に跪かせて懇願させる。

「僕に君の愛を頂戴。」と


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

嵐の「Sugar」を参考に。参考ってかそんまんまなんですけど、とても素敵な曲ですね。

無題#西郷さん→←キスの小話。#Both



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (31 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
18人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:のりこ | 作成日時:2018年4月17日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。