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お惚れた体温#坂本さん ページ4

「はい。」

「えっ?」

暑い夏。クーラーもろくに無い部屋で扇風機1台で汗をダラダラ流しながら編集作業をしている坂本さんに冷えたジュース缶を差し出した。

「あっ?、あぁ、ありがとう。ひゃ〜ほんと暑っついわ」

「なんでこんな暑い部屋で頭使う作業するのよ、馬鹿だわ〜ほんと馬鹿だわ〜」

プシュッといい音がする缶の中身を坂本さんはごくごくと音を鳴らして喉に通した。その首筋は汗で髪の毛がへばりついている、それが妙に色っぽくて私は急いで目を逸らし、ビール飲んだ。

生温い風が吹き込んでくる。時間を忘れるぐらいゆっくりとぬるい風が

「あっ、そう言えばさ、今度花火大会やるらしいよ。」

「え、どこで」

「そこの河川敷」

「え、こっからでも見れんじゃん。」

「うん。だから見ようさ、2人で」

2人で。こんなに心に響いた言葉はあっただろうか。
この暑苦しい、生温い風が通る、狭い部屋で。
ニャーとミケちゃんが鳴く頃には、しょうがないから一緒に見てあげるよと、酔った勢いのせいにして私は言った。

ジャブン。と浸かる湯船は夏に浸かるものじゃないと再確認する。坂本さんはきっとこの暑い部屋から出たくないのだろうなぁ。海にだって川にだって行きたいのに。だんだんと火照ってゆく身体に耐えきれなくなり急いで湯船をでた。

「A〜??」

ドア越しに声が聞こえた

「あぁ、ごめん。ちょっとこっち来ないで」

「あっごめん」

彼を急に意識してしまうと、火照る。また。熱くなる。こんなに暑い部屋なのに。また熱くなるなんて。おかしい。おかしくて頭がまわらない。

「あのさ、やっぱり花火大会、河川敷まで行こうよ。」

彼がらしくない事まで言い出した。なんてこった、ついに幻聴まで聞こえてしまった。

「あ、うん、いいよ。今日はなんだか素直だね」

そう言えば、今日の体温は、高めだったなぁ

「なにさ、素直になったら悪いかよ。」

「うん、なんだからしくない」

ガチャと風呂場のドアを開け、彼にの方に倒れた。
細く白い腕はしっかりと私を支えている。ひんやりとした彼の手に私は身を任せながら、顔を近づかせ

あたしは彼にキスをした。


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好きな人と一緒にいると体温が上がるそうです。
だとしたら反対はきっと…なんて思ったりもします。

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純愛#西郷さん→←世界の終わりに愛し会えたら十分だ。#西郷さん



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作者名:のりこ | 作成日時:2018年4月17日 7時

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