世界の終わりに愛し会えたら十分だ。#西郷さん ページ3
「ねぇ、A?明日、世界終わるんだって。」
「…ふーん。」
「ほんとだよ!ほんとだって。」
「わかってるって。別にそんな疑ってないよ。」
「ほんと?…ねぇ、明日終わるとしたら何したい?」
「っえ〜…ゲーム」
「もっといいことあるでしょw」
「えっ〜〜…家でダラダラ」
「他!」
「…ミケちゃんに会いたいなぁ」
「ねぇ、冗談言ってないで」
「……、坂本さんとゲームしたい」
「ちょっとぉ!!!」
「嘘だよ〜〜、さいごーさんと一緒に過ごしたいでーーす。」
「嘘っぽいなぁ」
「ほんとだって!!ww嘘言ってない」
「笑ってるじゃんかぁ…もぉー」
「うーん。ほんとに一緒に過ごしたいよ??」
「なんで?、なんで一緒に過ごしたいのさ」
「そりゃあ一緒にゲームして、遊んで、手繋いで、デートして、お泊まりしてー美味しいもの食べに行ってー」
「うん」
「喋ってービール飲んでーニューハーフバーに行った西郷さんを怒ってー」
「wwうんうん」
「お菓子作ったあげて〜絵褒めてあげて〜一緒に歌って〜」
「まだあるの!!wwwそんなにできないよ!」
「できるよ。」
「えぇ、出来るかなぁ。ww」
「もう手繋いでるからこれの他にもできるよ。」
だといいねぇ。
そう言った私を見てすやすやと眠っていく彼女を見て坂本さんは声を殺して泣いていたし、Aの両親は互いに肩を寄せあっていた。一番近くにいた私は泣くこともなく、悲しい気持ちになるわけでも無かった。ただ、綺麗な顔をして寝ている彼女とピッピっとなり続ける機械音はきっと頬をつねれば覚める夢だろう。そう、信じたい。
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作者名:のりこ | 作成日時:2018年4月17日 7時