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「なんでか…教えてほしい?」
彼は何故か青年に問いた
この理由を話すべきなのか、もしそうじゃなかったら…
今更ながら急にそんな考えが浮かんだのだ
「はい。」
青年はきっぱりと答えた
彼は少し考えたが決心した
「それはね、俺と同じ匂いがしたから」
「は?」
本日2回目である青年の答え
彼は考えに考え抜いたと言いたくなかったらしい
…変な所にプライドがあるものだ
「それと、君を救いたかったから」
「…!」
彼がそういった途端、青年はとても驚いた表情をした
「…ッ!?」
彼が見る初めての人間らしい表情だった
青年はずっと真顔でいた
心ここにあらずというような
その表情を見た彼は思った
青年の笑顔を見たい
「これが理由。どう?来てくれる?」
彼は気づいていないが、青年を見つめる目が期待の目をしている
青年は考えていた
果たしていいのだろうか
いい人と言う事は今の会話で充分わかった
だが、怖いのだ
また人と関わることが
こんな俺をほんとに受け入れてくれるのだろうか
…信じよう
この人の仲間の人もきっといい人
怖いけど、それでも一人でいるのは嫌だから
その頃、彼は戸惑っていた
あれ?なにか悪いこと言った?
すんごい難しそうな顔で突っ立ってるじゃん
なんか悩ませるようなこと言っちゃった?
うーん、全然わかんないんだけど
心の中で自問自答を繰り返していた
そんな時
「いいっすよ。チーム入ります。」
青年からの答えだった
「え、いいの?ほんとほんと?」
彼は驚いた。
え、あんなにも難しい顔で突っ立ってるからだめなのかと思ったんだけど
予想外の言葉に今度は彼が困惑している
「もちろん」
青年は覚悟を決めたような真っ直ぐな目で彼を見つめた
もう迷いはないようだ
その目を見て彼は笑った
「やったぁぁぁぁぁ!!!」
彼ははしゃいだ
それはそれはとてつもなく
青年はまたもや驚く
そして思った
この人といると飽きなさそうだ
ピーポーピーポー…
そんな時に気づいた
もう近くに来てしまっていたのだ
「そうだった!!逃げますよ!」
「え、え!?」
…青年も頭が少し弱いのかもしれない
青年は彼の手を握り走り出した
彼も時間はかかったが理解はしたようだ
二人で走る道
決して明るくはなくただ一つ月明かりに照らされている道
その道は今から彼と青年、そして七人が歩む道のようにも見えた
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作者名:Minz | 作成日時:2020年3月27日 3時