Hoffnung (ページ47)

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｢でも…｣

｢…大切な人を守れるようになりたいから。それじゃ駄目?｣

と宮舘は言う

もう失いたくなんてない

覚悟を決めた目で渡辺と宮舘は佐久間を見つめる

もちろん世間から見ればやばいことは分かってる

頭狂ってる

そう思われるかもしれない

でも、ここで手放したくなんてなかった

もう傷つきたくなかった

…一緒にいたいから

守りたいから

これが俺達なりの答えなのだ

｢…ほんとにいいの?もう戻れなくなるよ｣

｢別にいい。俺は涼太が一緒ならそれだけでいい｣

｢俺も同じ意見｣

｢…止めても無駄だよね…いいよ、覚悟しておいてね｣

と佐久間は儚げに笑う

宮舘は渡辺にむかって微笑む

すると、渡辺も笑う

…きっと大丈夫

何故かそんな自信が湧き出てきた

ちなみに渡辺は宮舘以外とは全然喋れなかった

人見知りもあるが何よりもショックがでかかったから

職場の人とはなんとか頑張ってはいたが、きつかったという

初対面であんなに話せたのは佐久間だけだという

…この話は佐久間には絶対しないと心に決めている

渡辺曰くあいつすぐ調子乗るかららしい

あれから佐久間が深澤に事情を説明した

正直簡単には受け入れられないかもしれないと身構えていたら

分かった、今日からよろしくね

と深澤は笑った

え、と思わず反応する

ｱﾊﾊﾊｯ!今の顔翔太が俺の真似～って言った顔と全く同じ顔してる!と笑い転げる佐久間

深澤も笑いを堪えきれていない

渡辺はああ、もう!うるせえ!と誤魔化している

宮舘はそんな光景を見て安心した

きっと大丈夫

またその自信が湧いてきた

ちなみに渡辺は深澤と仲良くなるのに一週間かかったとか

…

｢涼太、涼太!｣

｢…!何?翔太｣

｢嫌なんにもないけど｣

｢何それ笑｣

と話していると

うわ、ゆり組だという声が聞こえてくる

｢…涼太、ありがとう｣

｢…うん、どういたしまして｣

なんにもないと言うのはきっと嘘だ

俺が何を考えていたのかが分かったから声をかけてきたのだろう

…なんで感謝されたかはよくわからないけど

渡辺は照れ隠しの為にどっか行ってしまった

いつもの光景を見て思う

あの時の判断はきっと間違っていない

だって今はこんなにもいい仲間に恵まれているのだから