Hoffnung (ページ38)

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ラウールの声が聞こえたのか

既に敵を倒した渡辺が深澤を撃った相手を撃つ

｢ラウ!ふっかさん!｣

慌てて向井が側に来る

｢ラウール落ち着いて。しっかり呼吸しよう｣

と背中を撫でながら声をかけてくる目黒

他のメンバーは深澤の応急措置をする

｢ｯ僕、僕のせいでふっかさんが…!｣

｢大丈夫。ラウのせいやない｣

と向井もなだめてくれる

嫌だ

もう懲り懲りなのに…

自分のせいで大切な人を傷つけるのなんて

とめどなく溢れてくる涙を必死に止めようとしても止まらない

｢ごめんなさいｯ…ﾋｯｸ…ごめんなさいｯ…｣

｢ラウ、大丈夫や。ふっかさんはこんなので弱る人やない｣

｢そうだよ、ふっかさんの事だからきっとすぐに元気になる｣

と向井と目黒が自分なりになだめる

｢ﾌｩｯ…一応応急措置はできたよ。運ぼっか｣

と阿部が言うと

｢俺が運ぶ｣

深澤を軽々と持ち上げて車に向かう岩本

みんなそれぞれ車に向かうが1人座ったままの少年が

｢…｣

おわかりの通りラウールだ

彼は過去の事もあるが、責任感も強い

それ故に怪我を負わせてしまったことに深く後悔をしている

自分が捕まらなければ、自分が周りをちゃんと見ていれば、自分がもっと危機感をもっていれば…

きっとこんなことにはならなかったと

｢ラウ?どうした?大丈夫か?｣

｢…早く行くぞ、みんな待ってる｣

と2人が手を差し出す

言われるがままに手を取り歩き出す

体力もない為ほとんど目黒に体を預けている状態だが

…車の中で誰1人として声を出す者はいなかった

しばらくして家につき、阿部は深澤の処置をして、みんなそれぞれの行動をする

ラウールは深澤が眠っている部屋で泣いていた

阿部には自分の部屋で安静にしていろと言われていたが

こっそり抜け出して深澤の所へ来たのだ

ラウールもそれなりの怪我はしている

阿部も気持ちは分かるが無理をしてほしくなかった

普段なら素直に言うことを聞くが今回ばかりは無理だったらしい

｢ｯごめんなさい…ﾋｯｸ…僕のせいで…ﾋｯｸ…お願いだから目を覚まして…｣

部屋に響く泣き声

声をかけられている彼は気持ち良さそうに眠っている

ﾁｭﾝｯ…ﾁｭﾝｯ…

｢…ﾝﾝｯ…｣

翌朝ラウールが目覚めた時

｢…え?｣

何故か自分の部屋に居た

どうやらいつの間にか眠ってしまったラウールを誰かが運んだらしい

深澤の部屋に向かおうとすると

｢あれ?｣

何やら机の上に何らかのメモが