君の太陽 (ページ26)

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帰ろう。

校門から出ようと思ったけど、人だかりが出来てたから、塀を越えて裏から出た。

小さい頃から、運動神経は良い方だと思う。

よし、誰にも見られてない

久しぶりに来た海。
今度は1人だけ。

父と母に祝ってもらった、2歳の誕生日の音声を聞きながら、あの頃みたいに足だけつけた。

蓋をしたはずの記憶が蘇る

泣いちゃダメだ、グッと堪えて

すると、後ろから肩を叩かれた。
すごくびっくりして、振り返ると男の子がいた。

顔見られた。どうしよう。

みんな私の秘密を知りたがった。
自分だけ知っているという優越感に浸りたいんだ。

でも、神は大丈夫？とだけ聞いて、それ以上は何も言わなかった。

この子は他とは違う、そう思ったから
一緒に遊ぶことに決めた。

3人を見ていると、羨ましかった。

誰かの何かになりたくて、
自分がいないと回らない世界が、どこかにあればいいと思ってた。

独り慣れていく自分が嫌だった。