センチメンタル (ページ46)

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北斗と一緒に運動場へ向かうと、

樹「先生先生先生！！！どうしよ！！！」

樹が真っ青な顔をして向こうから走ってきた。

優「どうしたんだよそんな慌てて...」

樹「次のリレー、1人出れなくなったんだ...！そいつ前の競技で足捻ってさ...！だから同じクラスの奴に片っ端から頼んでるけど、みんな断んだよ...」

優「じゃあ誰かが2人分走ればいいじゃねーか？」

樹「それも考えたけど、そしたら800メートル全速力で走ることになんだよ！ジェシーが走るって言ってたけど、いくらジェシーでもそれはきついと思うんだ...」

優「それは困ったな...」

っていうかまず、1600メートルのリレーなんて高校生の体育大会でやるか普通？

そんなことを考えいると、リレー選手の呼び出しがかかる。

樹「うわー！！！マジでヤバい！！！」

樹はパニック状態だった。

優「あ...........」

ふと頭にある人物が浮かんだ。

もう終わりだ、そう嘆きながら樹は集合場所に走っていく。

いるじゃないか...めちゃくちゃ速いやつ...

俺は顔を左に向ける。

優「北斗、お前が走れ」

北「え........無、無理ですよそんなの！！！」

優「大丈夫。お前なら走れるよ」

そう言って北斗の背中をポンッと押す。

北「そんな....！無理ですって！」

北斗は頑なにそれを拒んだ。

優「そんなの、やって見なくちゃ分からないだろ？
もし無理だったらジェ、ジェシーに頼めばいい。」

北「でもっ....」

優「大丈夫！お前なら絶対大丈夫だから！！！」

北斗の目を見つめてそう言った。

するも北斗は、何かを決心したようにゆっくり頷くと、既にリレーが始まっている中へと足を進めた。

俺もすぐに見える所まで走って近づいた。

どうやら今の所、樹が2番で慎太郎にバトンを渡したようだった。

1位の陸上部野郎とはほんのわずかな差しかない。

接戦だった。

しかし...

思いもよらないことに、残り半分の所で慎太郎が転んだのだ。

慎太郎が立ち上がっている間に、どんどん後ろから他の組が抜かしていく。