センチメンタル (ページ30)

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気づくと辺りは少し暗くなり始めていた。

１回休憩しようと声を掛け、2人で草原に寝っ転がった。

優「疲れた？」

俺よりも少し高い位置にいる松村を見上げながら話し掛ける。

北「大丈夫です」

そう言う松村の横顔は、スッキリしたような清々しい顔をしていた。

優「ならよかった！」

なんだか嬉しくて自然と笑顔が零れた。

北「あー.....なんか分かった気がします」

松村はムクっと上半身だけを起き上がらせる。

優「....ん？何がだ？」

俺も松村に合わせて、身体を起き上がらせた。

北「ジェシーが先生を好きな理由」

優「ハッ！？な、なななんで松村がそれをっ！？」

北「休み時間に先生の話、聞こえてくるんです。先生可愛すぎーって」

優「は、はああっ！？！？ふざけんなアイツ！」

ぶっ殺してやろうかと思った。あの巨人め！！！

北「先生はジェシーの事、どう思ってるんですか？」

優「...！ど、どう思ってるって...アイツとはただの教師と生徒で、それ以上のことは何もねーよ！」

一瞬動揺してしまったのはなぜだろう。

北「そうですか」

優「お、お前こそ！慎太郎とはどうなんだよ！？」

北「お、俺は別に...！」

優「あーその反応！好きなんだろ！！！」

北「ち、違いますっ...！」

優「わかりやすいなーお前っ笑」

北「...うざ」

優「は！？先生にうざとは何だ！...罰として俺と一対一な！わかったらさっさと動け！」

松村は渋々立ち上がった。

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松村が一対一に夢中になって、走ってくれたらいいな～なんて考えていた。

優「ほら、着いてこいよ」

ボールを松村の股へ通らせて、反対側に抜ける。

北「先生、大人気ない」

松村はボソッと口にした。

優「俺は半分の力も出してないんだけどな？」

そう言うと、松村は少し眉間を寄せながらも早歩きで俺の方に向かって来た。

俺はそのまま逃げるようにしてボールを運んでいく。

優「もうシュート決めちゃうぞー」

軽く茶化すように言うと、負けず嫌いなのかさっきよりも速いスピードでこちらに向かってきた。

後もうちょっと！そう思いながら俺はさらに足を早める。

でも突然、その足音が聞こえなくなった。

後ろを振り返ると、松村は俺の方を見て立っていた。