センチメンタル (ページ29)

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北「慎太郎だけじゃないですけどね....」

優「え！お前、他の野郎からも狙われてんのか！？」

松村はモテ男なのだとわかった。

まぁ確かにモテそうな容姿だよな....俺とは違ってさ....！

北「違います。俺じゃなくて....」

優「あ！もうすぐ着くぞ！....あ、ごめん！なんか言った？」

北斗が何か言っていたのに、上から被せてしまった気がする...

北「いえ、特には...」

優「そうか？じゃあ降りる支度しろよー」

松村が何か言おうとしていたことに、俺は特に気にしなかった。

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優「着いたぞー」

着いたのは俺がよく1人で練習していた河川敷。

サビ尽くしてるけど一応サッカーゴールもあるから、練習するには最適な場所だった。

北斗は何がなんだかわからない様子。

北「え.......」

優「ほら！さっさと降りろ！」

無理やり松村を車から下りさせる。

俺は後部座席からあるものを取り出して、北斗に向かって投げた。

松村はその行動に驚きながらも、ちゃんと両手でキャッチする。

優「一緒にサッカーやろうぜ？」

そう言うと松村はさらに目を丸くさせた。

北「え...いや、だって...」

優「蹴るくらいだったら大丈夫だろ？パスしようぜ！」

北「でも俺...サッカーできない...」

優「そんなのただ蹴るだけでいいんだよ！とりあえずやってみろ！」

俺は北斗から離れて、ある程度の距離を取った。

松村はサッカーボールを地面にゆっくりと置くと、遠慮がちに俺の方に向けて蹴った。

優「おい！そんなんじゃこっちまで届かねーよ笑」

案の定ボールは、俺の足元に来る前に止まってしまった。

優「思いっきり蹴ると、ストレス発散にもなんだぞ？」

そう言って俺は思いっきりでもないが、松村の足元に向かってボールを強く蹴る。

北斗はしっかりとそのボールを足で受け止めた。

優「今のはトゥキック！お前もやってみろ！」

サッカーできないとか言ってたくせに、なんだかんだ松村は上手かった。

優「お前上手いじゃん！」

北「そんなことないです」

俺たちは夢中になってパスを続けた。