センチメンタル (ページ2)

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笛の合図とともに俺は一瞬のうちに相手の股下を抜き、素早く相手の背後に回ってボールを操る。

そのまま右足で思いっきりボールを蹴った。

その瞬間、グランドが一気に静寂に包まれた。

その空気に耐えられず、俺は顔を緩めた。

優「結構本気出しちゃったな笑」

そう言って笑って見せると、生徒から大きな歓声が聞こえた。

"先生すげーよ！！！"

生徒たちが俺を取り囲むようにして集まってきた。

生徒「先生左利きじゃねーのかよ！」

優「あ～、俺両利きなんだわ。」

すげ～！と生徒がキラキラした目で俺を見つめる。

でもただ1人、俺の所には来ないで遠くからボーッとこちらをみつめる男がいる。

確かあいつは2年のエースだ。

でも少し扱いにくい奴...

いや、少しどころじゃない。

話しかけてもいつも無愛想。

愛想がないやつだと認識していたが、どうやらそんなことはないらしい。

仲間とはいつも笑顔で楽しそうに話している。

先生が嫌いなのかと思っていたけど、他の先生とは結構うまくやっているらしい。

もしかして俺だけかよ...嫌われてるの...

別に嫌われてようが嫌われてまいが、そんなのはどうでもよかった。

でも俺はアイツに危害を加えた覚えわない。

だからなんだか納得がいかなかった。

それにそいつとはサッカーだけじゃない。

体育の授業でも同じ...

彼のクラスを受け持っていた。