28.猫の友達 ページ28
・
・
・
いつものように広い教室へと入り、樹の姿を探す。
大体いつも座る席は決まっているから、その辺りに目を移動させれば、樹のピンク色の頭が見えた。こういう時は非常にあの派手な色が頼りになる、なんて思いながら足を進めていると、ふと樹の隣に座る男が気になった。
樹の友達だろうか。
ジ「よう」
樹の隣に座る男を気にしながらも、声をかける。
樹「おおジェシー！おはよう！」
何やらテンションの高い樹。
樹「紹介するね！この子は俺の猫の大我！」
ジ「は...？」
冗談かと思った。
だけどよく見たら、背中あたりに妙な膨らみ。そして頭にはキャップを被っている。
ジ「まさかお前の猫も...」
驚きすぎて口から漏れてしまったその言葉に、えっ？！と樹は声を荒らげる。
樹「もしかしてジェシーも？！」
ジ「ああ。猫人間だよ」
樹「マジか！こんなことってあんのか？！」
飼っているのが猫人間で同じということが、妙な親近感が湧いた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−
大「よろしくね♪ジェシーさん！」
そう言ってニコッと笑う美しい猫の名は、容姿とは裏腹に大我と言うらしい。
ジ「よろしくな」
クリっとした目に、綺麗な鼻筋、女のような白い肌にキャップから見える金色の髪がとても合っていた。きっと誰もが見惚れてしまうであろう。
これで耳やしっぽの毛が純白だとは...完璧な猫なのではないか。樹が過保護になってしまうのは無理もない。
講義を受けている間、大我は勉強をしたり、絵を書いたりしていた。
ジ「もう漢字も勉強してるんだな」
見れば小6の漢字ドリル。あの猫とは大違いだ。
最近、やっとカタカナのア段とカ段とサ段まで書けるようになったレベルだからな...
樹「大我は1回書くだけで覚えちゃうんだよ」
自慢げに話してくる樹。
知性も美貌も兼ね揃えているとは。恐るべし。
話した感じ、きっと性格もいいに違いなかった。
樹「今度、ジェシーの猫も連れてこいよ！」
ジ「いや、いいよ...」
あの猫を連れてきたらどうなるかなんて、何となく目に見えていた。
樹「なんでだよ！大我も友達欲しいって言ってるし！な？」
大「ジェシーさんの猫に会ってみたい！」
目をキラキラ輝かせながら言う大我に負けて、わかったと言ってしまったのである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 409人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のぞみ☆(プロフ) - ひかるさん» こんばんは〜☆ひかる様にハマっていただけるとはっ...！！！(泣)本人にやって頂けたら、始まって5秒で死にます笑こち猫が泣いている所は、小さい子供が泣いている様子を想像して頂けたらありがたいです笑こちらこそ！いつもコメントありがとうございます！(*´ω｀*) (2020年7月8日 0時) (
レス) id: 86babafb12 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - お久しぶりです。センチメンタルも大好きなんですが、こち猫にハマり中です。ぜひ本人たちでドラマやってほしい笑！タイガと樹も登場で胸熱です。個人的にこち猫の泣きだす所が大好きです。これからも更新楽しみにしています。癒しをありがとうございます！！ (2020年7月6日 23時) (レス) id: a3814309cf (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ☆(プロフ) - とまこさん» とまこ様！いつもありがとうございます(´∀｀*)とまこ様の癒しになっているとの事、嬉しく思います(^^)もし何かリクエストがございましたら、いつでも仰って下さいね♪こちらこそよろしくお願いします！ (2020年6月17日 15時) (レス) id: 86babafb12 (このIDを非表示/違反報告)
とまこ(プロフ) - のぞみさま！とっても可愛いお話をありがとうございます(*･ω･)癒されながら読ませていただいています♪センチメンタル続編と同時進行で書いておられて、のぞみさまの語彙力と表現力に圧倒されています。これからも大切に読ませていただきますね(･ω･* ) (2020年6月16日 1時) (レス) id: b87c68692d (このIDを非表示/違反報告)
Sua(プロフ) - のぞみ☆さん» そうだったのですね！いつかまた読めることを楽しみにしています(*^^*) (2020年5月31日 0時) (レス) id: f218de8fd3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のぞみ
| 作成日時：2020年5月11日 22時
