第八話 個々始動 ページ40
〜
レン「…‘闇よ、裂け’っ」
城の裏にある森で、タツヤさんから指導を受けていた。
手から真っ黒い闇が放たれ、それが剣のような形になり、目の前の木を切り倒した。
その横には、既に倒した木が複数倒れている。
レン「ふぅ…」
タツヤ「レン。」
タツヤさんに呼ばれ、近くに行く。
レン「どうでしょうか？」
タツヤ「うん、さっきより早く切れてる。 成長はしてるね。」
レン「ありがとうございます。」
タツヤ「ただ、一本だけってのは効率が悪い。 この量を一度にできれば、本番でもいい結果になるよ。」
レン「わかりました。 頑張ります。」
礼をして、またさっきの位置に戻ると、頭を魂に集中させた。
真っ暗な闇…
鋭い闇…
ドス黒い闇を探してはかき集め、それを手に送るように意識させた。
放つ寸前、昨夜のタツヤさんの言葉を思い出した。
〜
タツヤ「お前に、頼みたいことがある。」
レン「頼みたいこと…？」
タツヤ「レン… 人を恨め。」
レン「…え？」
突然そんなことを言われ、思考が停止した。
レン「えっと…それは、どういう……？」
タツヤ「実はさっきヒカルたちと話し合って、決闘に向けて、個別指導をしようって決めたんだ。」
レン「個別指導…？」
タツヤ「うん。 その個別指導で、お前の指導は俺なんだよ。」
レン「はぁ…」
決闘に向けてって、つまり…
レン「闘うん、ですか…？」
タツヤ「うん。」
レン「俺、嫌です…」
タツヤ「知ってる。 でも、これは逆にチャンスなんだよ。」
レン「チャンス…？」
タツヤ「うん。 もし決闘で俺たちが勝てば、向こうに和解しようと強気で提案できる。 相手は勝った俺たちに従う。 そして、壁がなくなって国が一つに戻る。 …と、順調にいけば俺たちの願いは叶うんだ。」
レン「それは、たしかに…」
でも…
いくらそのためとはいえ、傷つけ合うのか…
タツヤ「心が痛むだろ？」
レン「そりゃあ、そうですよ。」
タツヤ「俺はレンから、その“りょうしん”を取り除きたいんだ。」
レン「え…？」
りょうしんって…
レン「俺、親いないです…」
タツヤ「“両親”じゃなくて“良心”ね。 良い心の方。」
レン「あ、そっちか。」
タツヤ「お前には、“人を傷つけたくない”って感情がある。 その気持ちのままやれば魔力は弱くなり、絶対に西には勝てない。 だからレン、西を恨め。」
レン「西を…」
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夢幻姫(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます。すみません、書きたいものをすぐに書いてしまう悪い癖がありまして、放置してしまいました…せっかく見つけて読んでくれていたのにすみません＿|￣|○ 近々続きを書きますので、もう少しお待ちください！ (8月9日 19時) (
レス) id: 5f094c6618 (このIDを非表示/違反報告)
もも - こんにちは。コメント失礼します。私は夢幻姫さんの別な小説を読んでいるものです。最近そちらの小説を書かれていないようなのですが、今後、お話は続いていくのでしょうか？夢幻姫さんのお話はどれも面白いので、もしそうだったら別なのを読みたいと思っています。 (8月9日 19時) (レス) id: c1ab638b45 (このIDを非表示/違反報告)
夢幻姫(プロフ) - 麻耶さん» コメントありがとうございます！頑張ります！是非楽しみに待っていてください！ (2023年5月11日 7時) (レス) id: 5f094c6618 (このIDを非表示/違反報告)
麻耶 - 続き待ってます！ (2023年5月10日 23時) (レス) id: 6a6eda54e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢幻姫 | 作成日時：2022年5月1日 18時
