alabaster

・・・ ページ28

青サイド…


ショウタ「はぁっ…はぁっ…はぁっ……」

初めて、リョウタに怒った。

小さい頃じゃんけんに負けて絶交なんて言ったことがあったけど、そんな幼稚なものとは比べてはいけない。

怒り慣れてないからか、手がビリビリと痺れている。

叫びすぎて酸素も足りていない。

割れた電球を片付けようとしゃがむ。


ショウタ「っ、かはっ！！」

突然身体中に針に刺されたような痛みが走る。

足に力が入らず、その場に倒れ込む。

ショウタ「は、くっ……ぅあっ……」

息がうまく吸えない。

全速力で走った後のように、鼓動が早い。

ショウタ「あのメイド…マジで盛りやがった……」

キョウヘイが来る前、メイドが持ってきたお茶を、俺とキョウヘイのを入れ替えたのを思い出した。

まさかとは思ったが、本当に毒が入っているなんて…


ｺﾝｺﾝｯ

「ショウタくん、いる？」

「今月のストーンズの活動報告書持ってきたんだけど。」

「ショウタくん？ いないの？」

「入るよ？」

「っ、ショウタくん…？！」

誰かが扉を開け駆け寄ってきたところで、俺は意識を手放した。



ショウタ「ん…」

ラウール「あ、目覚めた！」

タツヤ「ショウタ！！」

コウジ「大丈夫？ 気分悪いとかある？」

目を開けると、俺は自分のベッドの中にいて、タツヤたちに囲まれていた。


ショウタ「俺…」

レン「毒で倒れてたのを、タイガさんが助けてくれたんですよ。」

タイガ「すぐに抜いたから、もう大丈夫だよ。」

ラウール「よかったぁ！」

レンの背後からひょっこり顔を出したのは、“SixTONES”のタイガ。

あの時部屋に入ってきたのはタイガで、

毒使いであるタイガが毒を抜き取ってくれたようだ。


タツヤ「毒を盛ったメイド見つけて、謹慎処分にしといたよ。」

ショウタ「ああ…」

レン「本当は殺処分してもおかしくないらしいんですけど、リョウタさんが止めてくれたんです。 目覚めた時にちゃんと謝らせるためにって。」

リョウタが…

ショウタ「リョウタは…？」

コウジ「部屋におるで。」

ラウール「一緒に目覚めるの待とうって言ったんだけど、“顔合わせちゃダメだから”って。」

ショウタ「そう…」

タツヤ「なんかあった？」

ショウタ「いや、別に…」

自分で言っておいて、側にいないとこうも辛いんだな…

側にいるからこそ感じることか…


…リョウタは、どんな気持ちで俺に隠し続けて過ごしていたんだろう……

そう考えると、胸が苦しくなった。

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