・・・ ページ26
〜
タツヤさんの「手当てをしよう」の言葉を合図に、みんなが動き始めた。
タツヤさんが持ってきてくれた救急箱で、リョウヘイさんはダイスケさんの腕の応急処置をした。
ヒカルさんはダイスケさんを抱え、別の部屋に寝せに行った。
始終ダイスケさんは、ずっと腕を抑え、時々小さく悲鳴を上げていた。
リョウタさんはお茶を片し、ショウタさんは決闘状を持って自室に入った。
俺たちはというと…
何も出来ず、ただ呆然と、その光景を眺めていた。
〜
その日の夕食時。
集まったのは、タツヤさん、コウジ、ラウール、俺の4人だけ。
ヒカルさんは家に帰り、リョウヘイさんはダイスケさんの看病。
リョウタさんは食事だけ作って、用があると言って出て行った。
ショウタさんは、あの時部屋に入ってから、一度も出て来ない。
食事中会話はなく、カチャカチャと食器の音だけが響く。
食欲が湧かないのか、口を付けずにラウールが席を立った。
コウジも、2、3口だけ食べて出て行った。
俺とタツヤさんの2人きりになってしまった。
俺自身もあまり食べたい気分ではないが、体は正直なため、料理を胃に入れた。
それでも辛くて、スープを一口飲んでからスプーンを置いて席を立とうとした。
と、
タツヤ「レン。」
レン「、」
タツヤさんが呼び止めた。
レン「…はい。」
タツヤ「…ごめんな。」
レン「え…?」
突然謝られて、戸惑う。
レン「え…なんで…」
タツヤ「せっかくお前らが話し合い提案してくれたのに、結局なんの結果も残せなくて、ごめん。」
レン「いや、そんな…! タツヤさんは悪くないですよ…! 俺、まだ、考えが甘かったです… 誰かが全部悪いなんてことはないです…!」
タツヤ「ん、ありがとな。 でも、やっぱり謝らせて欲しい。 お前らの勇気を、無駄にしたんだからな。」
レン「タツヤさん…」
タツヤ「何も行動できなかった。 ヒカルみたいに筋力ないし、リョウヘイみたいに頭も回らない。 言われることも、完璧にはできない。 ほんと…最年長失格だな……」
レン「そんなことないです! タツヤさんはカッコいいですよ! タツヤさんは、急に現れた俺たちのことを、変な目一つしないで面倒見てくれました。 わからないことも丁寧に教えてくれる。 俺はそんなタツヤさん好きです!」
そう言うと、タツヤさんは微笑んだ。
タツヤ「ありがとな、レン。 …なぁ、レン。」
レン「はい。」
タツヤ「お前に、頼みたいことがある。」
119人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢幻姫(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます。すみません、書きたいものをすぐに書いてしまう悪い癖がありまして、放置してしまいました…せっかく見つけて読んでくれていたのにすみません_| ̄|○ 近々続きを書きますので、もう少しお待ちください! (8月9日 19時) (レス) id: 5f094c6618 (このIDを非表示/違反報告)
もも - こんにちは。コメント失礼します。私は夢幻姫さんの別な小説を読んでいるものです。最近そちらの小説を書かれていないようなのですが、今後、お話は続いていくのでしょうか?夢幻姫さんのお話はどれも面白いので、もしそうだったら別なのを読みたいと思っています。 (8月9日 19時) (レス) id: c1ab638b45 (このIDを非表示/違反報告)
夢幻姫(プロフ) - 麻耶さん» コメントありがとうございます!頑張ります!是非楽しみに待っていてください! (2023年5月11日 7時) (レス) id: 5f094c6618 (このIDを非表示/違反報告)
麻耶 - 続き待ってます! (2023年5月10日 23時) (レス) id: 6a6eda54e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢幻姫 | 作成日時:2022年5月1日 18時