色褪せていく… ページ9
目黒サイド
康「……おぉー！ かっこええー！！」
ラ「ほらー！やっぱり似合うよー！」
目「そう…？」
放課後、康二とラウールの家に行き、ラウールに髪をいじられた。
普段上げている前髪を下ろされたから、目が少し痛い。
きっかけは、今日の昼休み…
〜〜〜
ラ「めめ、髪伸びたね。」
目「うん。」
康「珍しいなぁ、この長さ。」
目「忙しくて切る時間なくて… 来週あたり家で切ろうかなって。」
ラ「美容院じゃなかったの？！」
目「だってお金かかるし… ハサミと鏡あれば十分でしょ。」
康「めめって自分のことには制限かけるよなぁ。」
家賃や学費、他にも色々払わないといけないからね。
お金が大事なのは、経験上痛感してるし…
人に迷惑かけてられない。
ラ「てかさ、めめ前髪下ろしてみたら？」
目「え、何急に…」
ラ「ずっと思ってたんだよねー。 めめいつもテクノじゃん？ でもたまに喧嘩した後に汗で前髪が下りてるの見てたら、普段から下ろしてるのも似合うんじゃないかなーって。」
目「そうかな…」
ラ「今日の放課後家来てよ！ 俺やってあげる！」
目「え、マジで言ってる？」
ラ「マジマジ！ ね？そうしよ！」
康「さんせーい！」
目「えー…」
〜〜〜
てなわけで、半ば強引に家に連れて行かれ、髪をいじられた。
鏡に映る俺は、いつもの俺と違って、(自分で言うのもなんだけど、)少し知的に見えた。
髪型が違うってだけで、こんなに印象が変わるんだ…
康「何か賢そうやなぁ！ 実際賢くないけど。」
ラ「悪知恵働きそー！ 実際そんなのできないけど。」
目「褒めるかディスるかどっちかにしろよ。」
康「でもほんまに似合ってるで？ ちょ、目線ちょうだい。」ｶｼｬｯ
ラ「うん！ イケメンが増した！」
目「あっそう…」
邪魔だって思ってたけど、
これはこれで、アリだな…
目「ありがとう。」
ラ「いーえー！」
康「なぁなぁ！ 今度の日曜日それで出かけようや！」
ラ「いいねー！ 思いっきりオシャレしよう！」
高校生みたいな会話だな…
…あ、高校生か。
最近暴れることがなくなったからか、学生らしい生活を送れている気がする。
ストーンズ…？に狙われてるらしいけど、特に何も起きてないし…
ただの脅しかな…？
せっかく学校に通ってるんだから、この生活を楽しもう。
遊ぶ約束をして、俺は家に帰った。
でも帰り道、激しい痛みに襲われ、
俺の目の前は真っ暗になり、
意識を手放した。
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作者名：夢幻姫 | 作成日時：2023年8月6日 8時
