貴方は愛を誓いますか？【SLH】【antsa】【短編集】

素直な気持ち(mst) ページ8

Aサイド

私はよく悪夢を見る。その内容は様々で、起き
る度に恐怖と不安を味わい、寝ることが怖くて
寝不足になって倒れたこともある。今日もまた
そんな日と同じような朝だった。

｢まーくんはさ、｣

彼の名前を口にする時、おそらく私の声は震え
ていた。今から言うことは、私らしくない台詞｡

ま｢うん、どーした？｣

まーくんもそんな私の様子を見て、不安そうな
顔をしながら私の表情を伺う。

｢…私のこと、好き…？｣

ま｢うん！じゃないと彼氏じゃないでしょ？｣

｢そう、だよね…｣

朝起きてすぐ、私は何を聞いているんだろう。
顔を洗っても目は覚めなかった。水の冷たさが
余計に私の不安を募っただけだったから。

｢ごめん｣

私は一言謝って、何か飲もうとキッチンに向か
おうとする。けど、彼が私の腕を引いた。

ま｢本当にどうしたの？何かあった…？｣

私は不安で正面から抱きついた。そんな私を優
しく包み込んでくれたまーくんの素敵なところ
に1人感動し、涙が零れた。

ま｢泣いてる？大丈夫、俺がいるから、ね？｣

規則正しいリズムで、彼は私の背中を叩いた。
その居心地の良さに安心を覚え、今日見た悪夢
を彼に話してみることにした。

ま｢そんな夢みたら不安になるよなぁ｣

｢怖くて…まーくんが、消えちゃいそうでっ…｣

上手くまとまらない言葉で取り繕い、壊れたお
もちゃかのように怖い。怖いと､繰り返していた

ま｢俺は消えないよ。Aが大好きだから。｣

｢うん、ごめんっ…ごめんね…？｣

ま｢謝らないで？大丈夫だから、｣

まーくんの口調は、幼い子供をあやすかのよう
な。いつにも増して優しかった。

ま｢今日の夜、一緒に寝よっか｣

｢え…？｣

ま｢その方が、Aも安心でしょ？｣

｢で、でもまーくん、仕事…｣

まーくんは昨日、明日は振付考えるって言って
た。それに、練習もあるはずだけど。

ま｢仕事も大切だけど、Aが1番大切。｣

｢…！｣

こうして、素直に伝えてくれる人はなかなかい
ない。喧嘩もするし、イライラする時もあるけ
ど、結局彼の優しさに甘えちゃうんだよね。

｢ありがとう、好き…｣

ま｢いいえ、俺は愛してるけどね？｣

そういう事もさらっと言えるところも好き。

｢…私もです。よし！元気出た！朝ごはん作る！｣

ま｢照れてるな？笑 ご飯作るの手伝う！｣

…まーくんは、私の自慢の旦那さんです。

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