貴方は愛を誓いますか？【SLH】【antsa】【短編集】

素敵な人です(YUMA) ページ2

Aサイド

｢ゆまくんゆまくん｣

私が手招きすると、煙草を吸うのを止めて近づ
いてくるゆまくん。別に煙草は大丈夫なんだけ
ど、多分彼なりの気遣いなんだと思う。

Y｢あ、料理作ってたの？｣

｢うん、味見してほしくて｣

料理することは好きなんだけど、ゆまくんほど
得意ではない私は、ゆまくん好みに作れている
か本人に確認してもらう習慣がついている。

Y｢めっちゃ美味しそうやん｣

｢ほんと？あ、熱いかも。｣

スプーンで差し出してみたものの、出来たてだ
から熱いかもしれない。どうしようか悩んでい
ると、ゆまくんがあ、と声を上げた。

Y｢ふーふーしてよ！w｣

｢えぇ…？｣

夫婦になったんだしええやん！と駄々をこねる
ゆまくん。でもゆまくんに味見してもらいたい
から仕方がない。湯気を冷まし、口に運ぶ。

Y｢…うま｣

｢ほんと？良かった｣

我ながら、料理は上達してきていると思う。ゆ
まくんに教わることも多かったけど、しらくん
にも教えてもらってた。ほら、何年も一緒にい
たから、何気にゆまくんのこと知ってるし。

Y｢なんか急にお腹空いてきた…｣

｢さっきまでお仕事集中してたもんね｣

ゆまくんは珍しくリビングでお仕事していた。
けど、集中しすぎていたのか、キッチンの物音
には一切反応しなかった。

｢お疲れ様｣

Y｢んーん、Aもありがとね｣

ゆまくんの手が私の頬を優しく撫でる｡温かい｡
ゆまくんは優しいから。自分のことよりも私の
ことを心配してくれる。いい旦那さんだ。

Y｢これ運べばいい？｣

｢うん、あとそれもお願いしたい｣

Y｢はいはーい｣

忙しいはずなのに、家のことも手伝ってくれる
し…素敵な旦那さんと出会ったと思う。

｢特別、ね｣

日頃の感謝を込めて、ゆまくんの好きなやつを
お皿にたくさんよそってあげる。誰かのために
料理を作るって楽しいんだなって実感しながら
食べる2人でのご飯はいつもより美味しかった。



Y｢お皿洗うの手伝うー｣

ご飯を食べ終わって食器を洗っていると、目を
擦りながらも私の隣に立って、布を取った。

｢ゆまくん、大丈夫だよ？｣

Y｢やって、これからは2人の家やし。奥さんの
ためにだったら、何でもやりたいもんよ？｣

眠いからなのか、いつもより口調がふわふわし
ていたが本心なのだろう。本心でなければ､普通
ここまでやってくれない。

｢今日、一緒に寝よっか｣

私がそう言えば嬉しそうに頷いたゆまくん。そ
の日の夜、私はゆまくんの抱き枕でしたとさ。

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