貴方は愛を誓いますか？【SLH】【antsa】【短編集】

彼の優しさ(RYO) ページ1

Aサイド

R｢Aの髪、綺麗だよねー｣

ソファに座り、雑誌片手に珈琲を飲んでいると､
頭にのせられた大きな手が、髪の毛を撫でた。

｢そうかな？｣

R｢使ってるシャンプーとか同じなのにね｣

不思議そうにしているけど、私の髪の毛に触れ
る彼は何故か楽しそうだった。

R｢髪の毛よく傷まないね｣

｢染めてないし、元々ストレートだからかも｣

私は人生で1度も髪を染めたことがない。そして
生まれつきストレートのため、ヘアセットとか
あまり苦労はしてこなかった。

R｢染めないの？｣

｢うん。今のところはね｣

私が再び雑誌に目を通そうとすると、ねぇ？と
寂しそうな声が隣から聞こえた。

R｢ん！｣

彼は細くて長い腕をばっと広げた。少し意地悪
してみたくなって、わざと頭を傾げてみる。

R｢もー！分かってるくせに！｣

頬を膨らませながら抱きついてくる姿は、まる
でかまってほしいわんこのようだった。

｢ふふっ、ごめんごめん…笑｣

私が背中に腕を回して、頭を撫でてあげる。そ
れがよっぽど嬉しかったのか、首元に顔を埋め
てすりすりとしてくる彼。可愛い…。

R｢Aが可愛い…｣

ほっとしたのもつかの間。首元にチクッとした
痛みが走る。あっ、油断した…。

｢…今付けたでしょ、｣

R｢付けてません｣

｢嘘つきさんは嫌いです。｣

R｢ごめんなさい付けました。｣

ソファから立ち上がり、洗面所へと向かう。そ
して鏡を見れば、案の定はっきりと跡になった
キスマーク。隠せそうにないなぁ…。

｢…明日の仕事どーするの｣

R｢大丈夫！今日は1つだけだから！｣

｢まぁ…そうだね。｣

私だけが知っている彼の秘密。それは、彼がと
んでもないキス魔だということ。本人も自覚し
ているみたいだけど、すごい時は身体中にキス
マークを付けられて、職場で大変だった…。

R｢髪の毛綺麗な子っていいよね｣

｢なんで？｣

R｢んーなんとなく？｣

それでは髪の毛が綺麗な子はみんな好きってこ
とになるじゃないか。そう思うと何だか妬けて
きて、思わず彼に抱きついた。

R｢A？どしたん？｣

｢…私だけ見てくれればいいの｣

何だか重めの彼女みたい。そうなることに気が
引けて離れようとした。けど、私の腕は彼によ
って掴まれて、再び彼の胸元に抱きついた。

R｢もともとAしか見とらんけー安心して？｣

私が不安になることもすぐに察してくれる彼は
私の喜ばせ方を知ってる。そんな優しいところ
も、大好きなんだよ？りょーくん。

素敵な人です(YUMA)→

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