[ △ ] Your Song

_twenty-eight [ Yoohei ] ページ29

---




夕方頃振りのAちゃん。
何処と無く雰囲気が違う気がするけど、
多分それは服装のせいかな？

あ、そのスウェット…

「ドロスのグッズじゃん！」

『あ、バレました？笑』

「嘘、めっちゃ嬉しいんだけど！」

これお気に入りなんですよね、と言ってにかっと笑うAちゃん。
こんな可愛い子ともまた仕事で当分の間会えないのか…
Yスタジオ篭って徹夜してましたって嘘ついて休もっかな。
とは言えAちゃんと予定が合うかは分からないけど。

あ、いいこと思いついた。

「ねえ、迷惑じゃなきゃAちゃんの家行っていい？」

『え？！！』

「だめ？」

『な、何でですか？』

「えー、せっかく会えたしAちゃんの家も知りたいし。」

『別にいいですけど…ちょっと片付ける時間をくださるなら、！』

っしゃ！

「全然待つからいいよ？」

『じゃあ、行きますか。』

「うん、！」




-

『着きましたよ、』

え、俺の家来て今更驚く？
こんなとこ住んでんのに。

『じゃあちょっとだけ待ってて下さい。』

「はーい。」

がちゃ、とドアが閉まってぽつんと取り残された。

俺はこの瞬間が堪らなく嫌い。
Aちゃんが駅の方に行っちゃった時と同じ感覚。
好きな子に置いてかれるという虚無感。
今はドアを開けばその中にいるってのに。

謎の寂しさに苛まれていたら、
ドアが開いてAちゃんがぴょこんと顔を覗かせる。

『もう入って大丈夫ですよ！』

「やった！お邪魔しまーす。」

『どうぞー…』




---

_twenty-nine→←_twenty-seven

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す