[ △ ] Your Song

_twenty-second [ Yside ] ページ23

---




"私、別に洋平さんと深い関わりがあるとかでもないし、
ライブもお金払って抽選で当たったら行く、ただのファンなので…！
そんなことしてもらっても狡いだけじゃないですか、、？"


やっぱそうなんだよ。
ファンなんだよ。

いや、そうってことは当たり前なんだけど。

俺が勝手に引っかかってるだけ。

俺のことはバンドマンとして好きなだけなんだ。
一人の男の人としてってことじゃないんだ。

まあ、ファンの子なんだからそりゃそうだ。

「俺の事、まだバンドマンとして見てるんだ。」

『え、？』

「いや、別に。」

ヒロのこともきっとそう。
これだけはそう思いたいだけじゃない。

でも、これ程区切りが付けれるってことなら、
きっと彼氏だっている。

いや、でも俺の家に容易に上がらせられちゃうならいないか。

でも一応聞いてみないと絶対彼女が帰ったあと後悔する。


よし、聞こう。

そう決心し、あのお店の時みたく席を立って彼女の隣に移動する。


「ねえ、Aちゃんって彼氏いる？」

『ん、？！』

「彼氏って、、いるの？」

『急ですね、、』


『まあ、居ないですけど…』


え？、えぇ？！

予想外すぎる。
こんな可愛い子に、彼氏がいない、、！？

『ていうか私、生まれてこの方一回も彼氏というものができたことがないんですよね。』

「え？！！？」

『そんな意外ですか？』

「意外。」

『みんなに聞かれるから恥ずかしいんですよね…』

そりゃあそうだよ。可愛いもん。

よし、これでまた一歩進んだ。
もう絶対誰にも渡さない。


「じゃあ、俺を一人目にしてみれば？」

『はいぃ？！！』

「な〜んてねっ。」

『もう！』

もうさっきまでのネガティブなムードも消えて、
ちょっと調子に乗って意地悪してみた。

「でも割と本気かもよ？」

『え、、』

「まあほんとのことは言わないけど笑
あら、耳まで真っ赤だよ？」

『うるさいです！！』

ぽかぽかと肩を叩かれた。
何も痛くないけどね。

この照れっぷりなら彼氏できたことない話も信じられる。
あー、ほんとに嬉しい。

いつかほんとに一人目になるから待っててね。




---

_twenty-third→←_twenty-first

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す