本気を出さないボーダー隊員【ワールドトリガー】 番外編 ２

番外編　恋する委員長　３ ページ8

「きゃっ」
「あ、わりぃ。・・・ってお前」
「いえ、こちらこそ・・・・っっ！！」


　あ、あああ荒船先輩っ！！！
　目の前にあの荒船先輩がいる！！
ドキドキと鼓動がすごい。顔に集まる熱が暑い。


「確かAのクラスの子」
「あ、はい！そうです！！」
「ぶつかって悪かった。怪我無いか？」
「ないです！！」
「そ、そうか・・・。あぁ、わりぃノート」
「あ、いえ！大丈夫です・・・」


　偶然なのかなんなのか、一冊だけノートが落ちてしまった。そしてそれを荒船先輩が拾ってくれた。優しい！


「・・・これ、Aのだな」
「あ、・・・・はい」


　最後に出したので必然的に一番上にあったAさんのノートは今荒船先輩の手元にある。
　

「よくわかりましたね(表紙に名前書いてあるから気づいたのかな？)」
「あぁ、・・・・。あいつ」
「？どうかしました」


　と聞くと、荒船先輩はAさんのノートを私に見せた。


「(あっ)」


　なんとノートの表紙に大きく絵が書かれていた。しかも上手い。


「あいつ・・・・」
「あ、あははは・・・・」


　Aさん・・・・。なにやってんの。
　と少しあきれてしまった。その堂々とした落書きに。


「・・・そ、それじゃ。私行きますね」
「・・・いや、ちょっと待て」
「え？・・・えぇ！！？」


　待てと言われ、振り返ると腕にあった重い物、ノートたちが荒船先輩の元に。


「え、あ、いいですよ！」
「いや、女子が重い物持っていてほっておけないだろ」
「っっ！！・・・・あ、ありがとうございます」
「おぅ」


　と先に進む荒船先輩の後を追った。


「(あぁ、とっても嬉しい！！)」





　恋って、 楽しい！！









　その後、ボーダーでは。


(おい、A)
(あ、荒船先輩)
(お前、絵描いてないで授業真面目に受けろよ)
(え゛っ・・・！！なんで知ってるんですか？！)
(今度のテスト頑張れよー)
(無視っ？！あとそれは困ります！！)

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