IF編 リクエスト（夏目友人帳） ３ ページ45
どうしてここにいるのか私も知りたい。でも、なんとなくだがもうすぐ帰らなければならないと頭の中で響く。
まぁ、空気のいい田舎に癒されたし、不思議な猫に会えたし、イケメンに会えたし満足だ。
「それじゃね、夏目くん」
「帰るのか？」
「うん」
「送ろうか？」
「ううん。大丈夫」
すると、とある風景が頭の中で思い浮かぶ。これは・・・。
「夏目くん」
「なんだ？」
「・・・名前を返すのもいいけど、一番なのは自分の気持ちだよ」
「え・・・・」
「じゃあね。あ、夜窓が三回ノックされるからちゃんとよく話を聞いてあげるんだよ」
「ちょっ、ちょっと待ってくれ！」
「話を聞いたうえで、決めるのは君だ」
そこで視界がブレる。最後に見たのは夏目くんが焦ったような顔とニヤリと笑ったニャンコ先生だった。
「・・・・はっ！」
バッとベッドから起き上がってキョロキョロする。そこはいつも通りの私の部屋。田舎ではなかった。
「ゆ、夢か・・・・」
バタンとベッドにダイブ。
「なんだあの夢・・・・」
とか言いながらあんまり覚えてないやつだ。覚えているのはどこかの田舎にいたことと、可愛くない猫に饅頭とられてイケメンに出会ったことだ。意味が分からない。さすが、夢。
はぁ、なんだかなぁ。と思いながらベッドから降りるとパサッとなにかが落ちる。漫画だ。
「あぁー、寝落ちしたやつか」
なんの漫画読んでたっけかな〜と、表紙を見る。あぁ、これか。
「『夏目友人帳』・・・・・、ん？」
見覚えがある猫と青年。そりゃ見覚えあるわ、だって夏目友人帳の主人公だぞ。
「ん？見覚えがある？・・・・ん？」
漫画読んでたらそりゃ見覚えあるだろ。だけど、そうじゃない。会ったことがあるやつ。
「なんだっけかな〜〜〜」
ま、いっか。なんだか饅頭食べたい気分である。
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作者名：tOuka | 作成日時：2019年12月17日 22時
