IF編 リクエスト（夏目友人帳） ２ ページ44
「しゃべった・・・・」
「しまった・・・。まぁいい」
「えぇー・・・」
「貴様、さっきからとてもいい匂いがするな」
「匂い？」
すんすんと匂いを嗅いでくる猫になんだこいつと引く。
いい匂いってなんだと思いポケットの中を探ると出てきたのはお饅頭だ。あ、これ好きなやつだ。
「饅頭！おい、貴様！さっきの無礼は許してやるからそれをよこせ！！」
「え、猫って饅頭食べていいの？」
「私は猫ではない！！」
と自称猫じゃないやつに饅頭を獲られてしまった。あーぁ。
むしゃむしゃお饅頭を食べる猫を見る。
すっげーどこかで見たことある。でもどこで見たか忘れた。テレビだな。うちの猫かもしれない。いや、こんなに丸くない。お父さんが溺愛しまくってお母さんに内緒でおやつ上げてるの私見たもん。
と、そんなことを考えている時だった。
「おーい、ニャンコせんせー」
と、青年の声が遠くから聞こえる。まさか、この猫もどきの名前だろうか。
「あ、いたいた。探したんだぞ、ニャンコ先生」
「む。夏目か」
「あ、また饅頭食べて。太るぞ」
「ふん！そんなことどうでもいい」
「まったく・・・。あ」
あ、目が合ってしまった。
色素が薄い短髪でどこかの制服を着ている青年だ。なんだか、細い。くそぅ羨ましい。
青年は「えっと・・・」とキョロキョロしてる。
「安心しろ夏目。こやつ悪い奴ではない」
「え・・・？」
「なぜなら饅頭をくれたからな！」
ドヤ顔をするニャンコ先生。こいつ大丈夫か？ほら、夏目くんも「はぁ」とため息を吐いている。
「すまない。この子とは内緒に」
「あぁ、うん」
このこととは、ニャンコ先生がしゃべることか。任せろ誰にも言わん。
夏目君にぐっと親指を出す。それに安心した夏目くんがほほ笑む。イ、イケメンだ。
「えっと、・・・・君は？」
「あぁ、私はAA」
「俺は夏目貴志。Aさんはこの辺の子じゃないよね」
「うん、そうだよ」
「どうしてここに？」
「・・・・・ね」
「ね？」
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作者名：tOuka | 作成日時：2019年12月17日 22時
