番外編 梅雨のネタ 米屋 １ ページ40
雨、雨、雨…………、雨！！
は、まだ見てないとして、梅雨の季節です。そして現在進行形で雨降ってます。
学校が終わりボーダーへ向かう私は可愛い傘ー、ではなくビニール傘。先日傘が行方不明になったので近くのコンビニにあるやつだ。
残念ながら傘の捜索願いは出せない。
色の傘や柄ある傘もいいかもしれないが、透明のビニール越しに見える雫とかなんとなくいいと思う。
「(今日は師匠に稽古つけてもらって軽く自主練してから帰ろう)」
と今日の予定を頭の中で思い浮かんでいたその時だった。
「おーい、Aー！」
「……」
私は振り返らないぞ。なぜなら振り返ったら最後、ブースに連行される未来が見えるからだ。
無視を決め込み歩くペースを速めたが、……ダメだった。
「ふぅー、ナイスタイミング」
「うわぁ、つめたっ……」
「お前いいところにいたなー」
「……なんて運のないことだろうか、私は」
無理やり傘の中に入ってきたのは米屋だ。そしてびちょ濡れである。
「ボーダーに行くんだろ？一緒に行こうぜ」
「……おっと用事が」
「嘘だな」
「くっ……」
速攻でバレた。
「A、今日加古さんと稽古だろ？行かないと後が怖いぞ」
「なんで知ってんだよ……。さては貴様、ストーカーか？」
「と思うじゃん？たまたま加古さんに聞いたんだよ」
「(冗談に決まってるだろーが)マジか」
「マジマジ。加古さんとの稽古終わったら俺とランク戦しよーぜ」
「えー、やだよ。無駄にポイント減らしたくない」
「負ける気満々じゃねーか」
「勝てるとは思ってないからね」
「勝敗はどのくらいだ？」
「7-3で私の負けだな」
「よし、やろうぜ」
「今の話聞いてた？」
と、その時。傘の持ち手をナチュラルに米屋がとった。
「……んじゃ、よろしく」
「可愛くねーな〜。そこは『え、いいのに……』とか『……ありがとう』だろ〜」
「あざっす」
「かわいくねー」
と笑う米屋に稽古終わったら全力で逃げることが私の中で決定した。
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作者名：tOuka | 作成日時：2019年12月17日 22時
