バレンタイン ７ ページ23
残り一つとなったこのチョコを私はどうしたらいいんだろう・・・。
「(もういいから次に会った人に渡してしまおう。そうしよう)」
と心に決めた時だった。
「よっ、ぼんち揚げ食う？」
「・・・・・・・」
迅悠一が現れた。そのぼんち揚げにチョコかけて食べてろ。
「どうも迅さん」
「やぁ、Aちゃん。チョコ配りは順調？」
「はぁ？言ってる意味が「あ、これ最後のチョコ？これ俺がもらうね、ありがとー」待てやゴラ」
チョコが入っている袋に手を伸ばした迅さんの手をはたく。
「いきなり何なんですか」
「それお母さんと一緒に買いに行ったでしょ」
「そうですけど」
「５つ買って宇佐美と綾辻に渡したんだろ？そんでその後荒船に渡した」
「・・・・・」
「佐鳥に渡すのは詠み逃したけど、最後の一つが残っててよかったよ」
なにこいつこわっ。
未来視のサイドエフェクトで視たんだろうと思うけど怖い。お母さんと買ったとか、栞と遥、荒船先輩に渡したことはいいとして、なぜ佐鳥のこと知ってんだよ。と思っていたら「さっき佐鳥に合って自慢してきたよ。Aさんにチョコもらったんです！って言いながらチョコ見せてきた」なにやってんだアイツ。
「そうですか。じゃ」
「待って待って待って」
「いーやー、はーなーしーてー」
腕をつかまれブンブン振るが離れない。くそぅ、なぜこういう時にかぎって誰も来ないんだ。こいつ何かしただろ。ふざけんな。
「離すからチョコちょーだい」
「ふざけんな誰が渡すか」
「いいや渡すね。なぜなら俺のサイドエフェクトがそう言ってるから」
「あー、はいはい」
「相変わらずの塩対応だね〜」
「はははー」
んで、いいから腕離せや。バンッと腕を振るとあっさり離れた。さっきのなんだったんだよぉぉぉ。
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作者名：tOuka | 作成日時：2019年12月17日 22時
