本気を出さない鬼殺隊員【鬼滅の刃】

弐拾参話 ページ25

するといきなり「ふざけんじゃねぇ！」とモヒカンが腕に乗った鴉を薙ぎ払う。ら、乱暴な。動物愛護団体が黙ってないぞ。


「どーでもいいんだよ、鴉なんて！」


　と言いながらモノクロちゃんの一人(白の子)の頭をつかんだ。


「(あ、あいつ・・・・！)」


　すると、乱暴なモヒカン野郎の腕をつかんだのは狐少年だ。


「(なんだかやばい雰囲気だ)」


　でも自分じゃどうしようもないので眺めている。そしてチラッと他の人がどんな反応しているのか気になり見てみるが、女の子の方は興味なしで鴉と戯れている。んで、金髪の方はあわあわしている。多分だけど、君じゃどうにもならないような気がするからあそこに行かないほうが正解だ。そして君の鴉は？・・・・・あ、雀。



　雀？


　え、雀じゃん。鴉じゃなかったのか。あ、鴉不足なのか・・・。動物の世界も大変だな〜っと思っていた時だ。「ぐぅ・・・ぁあ！」と言って腕を抑えているモヒカン野郎。おぉ、・・・・何があった？


「お話は済みましたか？」


　とモノクロちゃん(黒の子)が数段ある階段の上で二人を見下ろす。おぉ、君もいつのまに。そしてさっきのはお話だったのだろうか・・・？不思議がいっぱいだ。









　紫色の布を取るとそこにはいくつもの鋼の塊。


「では、こちらから玉鋼を選んでくださいませ」
「鬼を滅殺し、己の身を守る刀の鋼はご自身で選ぶのです」


　五人並んで複数ある玉鋼の前に来たものの、


「(なにがどう違うのだろうか・・・)」


　玉鋼、ましてや鋼の塊なんて初めて見るし・・・・。違いとは？？？


「・・・・全然わかんねぇ」


　え、おまえさっきからあんなに刀刀言ってたのにそれ？そりゃないぜ、モヒカン野郎。
　すると、狐少年が一歩前に出て玉鋼を選びとった。え、なにかわかったのだろうか。そして次々と他の３人が玉鋼を選んでいく。私はそれを眺める。なぜなら残り物には福があると信じているからだ。


「・・・・・」



　残り物、多くないか？



　残り物っていったら一つだろ。とか思っていたら何個かあった。どれが福だ？


「(真剣に悩んでも仕方ない)」


　よし、運任せで。えーっと・・・・。



　これでいいや。と一つの玉鋼を選ぶ。勘だ勘。得意分野で決めた。

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