玖話 ページ11
親子を無事家に帰し(その時、男の子は兄を見てわんわん泣いていた。そして涙でぐちゃぐちゃになった顔で「ありがとう!」とお礼を言ってくれた。それがとても嬉しかった)、私達も無事に家に帰ってきた。帰って来た途端、ドッと疲れがでた。その様子をみた月宮さんが「今日はもう休みな」と私の背中を押す。
「え、月宮さん。夕飯はどうしますか?」
「私はいいよ。Aはお腹すいてるのかい?」
「いえ、・・・なんだか食欲湧かなくて」
「それじゃ、もう休みなさい」
「はい、・・・・おやすみなさい」
風呂に入り、布団にもぐる。真上を見れば木造の屋根。それはだんだん見慣れてきたものだ。
「(だんだんここにも慣れてきたな・・・)」
この生活に。
「・・・・・・・」
・・・・帰れないんだ、わたし。
それはこの時代に来た時からなんとなく感じていた。でもやっぱりどこか希望を持っていた。だけど、今日。私はこの時代で“やるべきこと”を見つけた。
鬼殺隊に入って守ること。自分の命も、他人の命も。
そう心の中で呟くと心が軽くなった気がする。それと同時に先ほどの光景が目に浮かぶ。
初めての戦闘。・・・・・・怖かった。いつの間にか動いててあの少年を庇ったが、マジで喰われると思った。一対一だったら隙をついて逃げていたが、大丈夫じゃない少年を庇ってのことだ。この子を守れるか、自分を守れるか。あんときそのことが頭の中でぐるぐるしていた。でも、やっぱ守んなきゃって思った。だって、今までもそうだったから。
人(市民)を守ることが体に染みついたみたいだな。
あーぁ、とんでもないのが染みついてしまった。くそぅ。嬉しくないぞ。
でも、運命の巡り合わせというかなんというか。私は“守る”ことをしていくんだな。
「・・・・・明日から頑張ろ」
そう声に出して眠りに着いた。そしてその言葉をしっかりと月宮さんが聞いていたことをAは知らない。
225人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もっさ(プロフ) - 鬼滅の刃のコラボも最高ですし、カラスの名前がやみさん!やみさん好きです!いいですね!(←語彙力どこいった?)更新頑張ってください! (2019年10月22日 18時) (レス) id: 487c093ca1 (このIDを非表示/違反報告)
tOuka(プロフ) - 黒猫(`・∀・´)kさん» ありがとうございます!!更新遅くなりますがこれからも読んで貰えたら嬉しいです!! (2019年10月20日 21時) (レス) id: 227fd54672 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(`・∀・´)k(プロフ) - (´;ω;`)ワートリと鬼滅の刃のコラボ最高です!更新待ってます!! (2019年7月24日 22時) (レス) id: 15d4e33948 (このIDを非表示/違反報告)
tOuka(プロフ) - あいうえおさん» 教えてくれてありがとうございます!! (2019年7月22日 23時) (レス) id: 227fd54672 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 参話のところです。言葉が足りなくてすみません。 (2019年7月19日 21時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:tOuka | 作成日時:2019年6月14日 8時