3.たまには照れる。たまには、な。 ページ3
「え、ここ…」
『非常階段。』
屋上へ続く非常階段。
もちろん、ドラマの世界じゃないから
屋上も、そこへ続く非常階段も
もちろん立ち入り禁止になっているんだけど。
っていうか、テープあったんだけど。
涼介くんは、ごく簡単にそれをまたいで
戸惑う私も強制的にまたがされて
今、ここにいる。
見つかったら絶対怒られる…
「…何で?」
『あ?教室にいたら女子たちがきゃーきゃーうるせぇだろうが。』
それはごもっともです。
「いや、そうじゃなくて…
なんで今日、誘ってくれたの…?」
『…いいじゃねーか、別に。』
隣に座っている涼介くんが、
ふいっと横を向く。
でも、その時に見えた耳は
少し赤かった。
「…ふふ。じゃあ、食べよ?」
『あぁ。』
私は、自分で作ったお弁当を。
涼介くんは、コンビニで買ったであろうパンを。
それぞれ広げた。
『…お前、それ自分で作ったのか?』
「え?うん。」
『母親じゃなくてか?』
「…私の母親、事故で亡くなっちゃったの。
父親とは、もともと離婚してるし。」
『…そ、っか。』
「…あ、ごめん。暗くなっちゃったね!!」
ダメダメ、暗くさせちゃ。
『…俺の前では、強がんなよ。』
「え?」
その言葉と共に、
力強い腕に引き寄せられた。
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はな - ドSな山田君ヤバいです!これからもがんばってください!! (2016年3月22日 22時) (レス) id: 62d1d98ca0 (このIDを非表示/違反報告)
大ちゃん♪ - なんか、こんな彼氏がいたら毎日ニヤニヤしてそうです♪それくらい面白いし、いい話です。大ちゃんver.も書いてください!まってます! (2016年3月15日 22時) (レス) id: 3ee237103e (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - すごく面白かったです!もしよければ有岡くんver.も書いていただけないでしょうか?お願いします! (2016年3月12日 21時) (レス) id: 99658e1019 (このIDを非表示/違反報告)
杏菜 - 面白すぎてヤバいです!!これからも頑張って下さい^^ (2016年3月12日 17時) (レス) id: bc010aeac8 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん - おもしろいです!!!!!更新楽しみにしています (2016年3月11日 22時) (レス) id: 8af81d0770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:◆萩森奈々未◆ | 作成日時:2016年3月11日 18時