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tn「A、目瞑ってて」
「ん、」
tn「ちょっと待っててな」
煩くなる心臓の音を落ち着かせながら、俺は彼女に目を瞑らせ戸棚の上に避難させたチョコを手にしてソファに座る彼女の前に膝を着く。
常温で放置しすぎたせいで少しだけ溶けてしまったチョコを手に取り、彼女の顔の目の前へ。
tn「口開けて」
「……あ、」
ころり、と彼女の小さな口の中に吸い込まれたチョコ。少しだけやわこい彼女の唇に触れた指先が熱い。
律儀に目を瞑ったままモゴモゴと口を動かすAがなんだかハムスターのように愛らしく思わずクスリと笑みがもれた。
「……！ 美味しい！」
tn「…ほーか」
「凄いねコレ。なんかナカでジュワッてなったと思ったらお酒の味がした！初めて食べたよこんなチョコ！」
tn「ウォッカボンボンっていうチョコやで。ウォッカの周りをチョコでコーティングしたお菓子で、チョコの他にも砂糖で固めるやつもあるみたいやで」
「へー、トントンは物知りだな〜」
tn「ん、もう目ぇ開けてええよ」
彼女を下から見上げたままそう言うと、ゆっくりと開かれた瞼。そこから覗かれた深紅の燃えるような瞳を見つめ、彼女もこちらを見つめる。暫く見つめあって段々と恥ずかしくなってきたところで、Aは「あっ」と口を開いた。
「…とんとん、私が来る前にこのウォッカボンボン食べたでしょ」
tn「……なんで分かるん？」
「ん、ふふ。否定しないんだ」
tn「…まぁ事実なんで」
「なんで分かるの、だっけ？ ふふ、だってトントン目が少しだけ充血してるんだもん。それに、ほらココ」
tn「…ぇ」
ゆっくりと近づいてくる彼女の白くて細い綺麗な指先。俺に脚を与えてくれた彼女の指先が、そっ、と俺の口端に触れた。
「ふふ、チョコついてる」
優しく押され、そして拭うように指先を動かしたAは、そのままその指先を口に含んでペロリと舐めた。
「甘いね」
tn「……ッ」
なんだ、それは。
思わず吐き出されたクソでかい溜息。そしてそのまま目の前のシャワーを浴びたのかほんのり湿った太腿に顔を押し付け、彼女の腰に腕を回して抱きついた。
tn「絶対酔っとるやろA」
「うーん。ロボロ先輩たちから貰ったお酒とこのチョコはちょっと相性良すぎるみたいだね〜。頭がポカポカしてきた」
tn「勘弁してやもぉ〜」
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蛇狐(プロフ) - すみれいんさん» そう言っていただけて嬉しいです！まだまだ彼らの辿り着くべき未来への道のりは途方もなく長いものですが、最後まで見守っていただけたら幸いです(*^^*) (2021年3月9日 23時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 蛇狐さん» 126話では心がキュゥってなりました。そうだよね、そうやんねって身を捩りながら一緒に喜びました！ (2021年3月5日 19時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - すみれいんさん» ありがとうございます！無邪気に喜ぶtnを意識したのでそう言っていただき私もニッコリしました^^* (2021年3月5日 3時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - tnが嬉しそうでこちらもにっこりしてしまいます。ありがとうございます！ (2021年3月2日 22時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - にら。さん» ありがとうございます！今のところTwitter垢はここで公開するつもりは無いのです…気が向いたらIDを出すかもしれませんが、もし夢垢があるのならば回覧板が回ってくるかもしれませんのでもしご縁がありましたらその時にでもよろしくお願いします。 (2020年12月29日 16時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年12月11日 16時
