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「さて、メンテナンスを終えたことだし……って、トントン？どうしたのジッと見つめて」
tn「いっ、やぁ？…そんなことないで別に」
「……？変なの」
ダメだ。変に緊張してしまって渡せない。そもそもこんなの俺のガラではない。
俺がチョコを渡す？こんなの絶対他の奴らに笑われる！
なんて一人もんもんと頭を抱えていると、コンコンコン、と扉を叩く軽快な音が聞こえてきた。
こんな朝っぱらに一体誰だろう。
Aと二人して顔を見合せ首を捻っていると、ゆっくりと扉が開かれた。
ﾐｶ「……師匠〜失礼しまー……って、あれ？トントンさん？」
tn「え？」
扉からひょっこりと顔をのぞかせたのは、絵画の天使のように美しい顔を朝日にキラキラと照らして現れたミカエルで。寝起きなのかいつもより年相応の顔をした彼はトコトコと俺たちの前へ。
ﾐｶ「あー、そっか。トントンさんのメンテナンスか」
「そうそう丁度今終わったとこ。ミカエルはどうしたの？こんな早くに来るなんて珍しいね」
ﾐｶ「あー…そのー……」
もじもじ。
照れ照れ。
恥ずかしそうにギュッと目を瞑って長いまつ毛を震わせたかと思えば、意を決したようにAの前へ。
ﾐｶ「し、師匠！ハッピーバレンタイン！！」
「わっ！」
tn「っ！？」
勢いよくAに押し付けりたのは、可愛らしいラッピングに包まれた城下町の有名菓子店の限定チョコ。毎年バレンタインになると、その限定チョコ目当てで行列が出来るのだが……
もしかしてミカエル、お前、並んだのか？
恥ずかしそうに俯いてしまったミカエルをポカンと眺めていると、Aが嬉しそうにミカエルの頭を撫でた。
「そっか今日はバレンタインか。ありがとうミカエル、すっごく嬉しい」
ﾐｶ「ほ、ほんとか？」
「うん。大事に食べるね」
心温まるほんわかした二人のやり取りを見た俺は、軍服の中にしまい込んだチョコをグッと抑える。
うだうだ悩んどる間に先越されてもうた……
今ここで渡すのも何だか後出しジャンケンのようで俺のプライドが許さない。
ガックリと肩を落としつつも、いや待てよ、と頭を振る。
まだまだ今日は始まったばかり。2月14日が終わるまで時間はたんまりある。それまでにAにこのチョコを渡せばいいだけ。
大丈夫、今じゃなくても大丈夫。
また後で改めてAに渡せばええか。
──なんて、呑気なことを考えていた俺を今すぐ殴り飛ばしたい。
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蛇狐(プロフ) - すみれいんさん» そう言っていただけて嬉しいです！まだまだ彼らの辿り着くべき未来への道のりは途方もなく長いものですが、最後まで見守っていただけたら幸いです(*^^*) (2021年3月9日 23時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 蛇狐さん» 126話では心がキュゥってなりました。そうだよね、そうやんねって身を捩りながら一緒に喜びました！ (2021年3月5日 19時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - すみれいんさん» ありがとうございます！無邪気に喜ぶtnを意識したのでそう言っていただき私もニッコリしました^^* (2021年3月5日 3時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - tnが嬉しそうでこちらもにっこりしてしまいます。ありがとうございます！ (2021年3月2日 22時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - にら。さん» ありがとうございます！今のところTwitter垢はここで公開するつもりは無いのです…気が向いたらIDを出すかもしれませんが、もし夢垢があるのならば回覧板が回ってくるかもしれませんのでもしご縁がありましたらその時にでもよろしくお願いします。 (2020年12月29日 16時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年12月11日 16時
