episode98 ページ4
起床を知らせるラッパの音でハッと目が覚めた。寝不足で重い頭を抱えながら俺は体を起こし、しょぼしょぼと目を瞬きながら顔を洗っている際に、ふと持ち帰った書類の処理をしている時に聞こえてきた声を思い出す。
隣の部屋、Aの部屋の方から聞こえてきたAと誰かの話声。何を喋っているかは分からなかったが、大体深夜の２時ごろまで聞こえてきた楽しそうな声を思い出しながら欠伸をひとつ。
一体誰とそんな遅くまで……
と、そんなことを考え始めたところでタオルを顔に押付けたままフリーズする。
…いやいやいや、別にええやんそんなこと。Aが軍に馴染んでる証拠やん。ええことやええこと。
昨晩脱ぎ散らかした服を洗濯機に自身の思いを誤魔化すようにぶち込み、綺麗にクリーニングされた軍服に袖を通す。ドックタグを隠すように首元に下げたところで、はた、とある考えが頭を過った。
だいたい声が聞こえなくなってきたのが深夜の２時ごろ。でもドアが閉まったり開く音なんてその付近で全く聞こえなかった。
tn｢……ちゅーことは、一緒に寝たんか？｣
そんな可能性を見出してしまった俺は朝の準備も程々にすぐさま隣の彼女の部屋へと急ぐ。仲が良くなるのはいい事だ。だが、それとこれとじゃ話が違う。
彼女の部屋の前へ着いた俺は少し息を整え、コンコンコン、と扉を叩いた。
するとパタタと軽い足音が聞こえたかと思うと、警戒するようにゆっくりと扉が開いた。
ﾐｶ｢いま師匠は不在で…ってトントンさん？｣
tn｢は？ミカエル？いやっ、それよりなんや師匠って……｣
何故ミカエルがAの部屋から…そんなことより師匠ってもしかしてAの事か。いや、まずそもお前Aのこと大嫌いやん。
なんて事をグルグルと頭で考えていると、何を思ったのかミカエルは俺の手を引きAのベッドへ腰掛けさせると、簡易キッチンの方へと消えていった。
もしかして、昨日Aと一緒にいた奴ってミカエルなのか？
小さな体で背伸びをしながらせっせと何かを作る彼を見ながらそんなことを考え、危なっかしく背を伸びをして火元に近づく彼を見ていられなかった俺はおもむろに彼へ近づいた。
tn｢何作っとるん？危ないから俺が作るで｣
｢ココア。自分でできるから大丈夫｣
tn｢って言ってる側から牛乳零してるやん！ほら、ええからベッドで座っとき！｣
子供らしくブスッと不貞腐れたミカエルの背中をおいやり、俺は彼にかわってキッチンに立った。
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蛇狐(プロフ) - すみれいんさん» そう言っていただけて嬉しいです！まだまだ彼らの辿り着くべき未来への道のりは途方もなく長いものですが、最後まで見守っていただけたら幸いです(*^^*) (2021年3月9日 23時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 蛇狐さん» 126話では心がキュゥってなりました。そうだよね、そうやんねって身を捩りながら一緒に喜びました！ (2021年3月5日 19時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - すみれいんさん» ありがとうございます！無邪気に喜ぶtnを意識したのでそう言っていただき私もニッコリしました^^* (2021年3月5日 3時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - tnが嬉しそうでこちらもにっこりしてしまいます。ありがとうございます！ (2021年3月2日 22時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - にら。さん» ありがとうございます！今のところTwitter垢はここで公開するつもりは無いのです…気が向いたらIDを出すかもしれませんが、もし夢垢があるのならば回覧板が回ってくるかもしれませんのでもしご縁がありましたらその時にでもよろしくお願いします。 (2020年12月29日 16時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年12月11日 16時
