episode88 ページ41
何とかなった。何とかなったのだが、紙に綴られた文字列は“何故か”所々インク溜まりができてしまいグチャグチャだ。そして“何故か”ペン先も折れてしまった。
俺はズールから話を聞き終え、ふー、と息を吐く。
tn「…………説明ありがとう、取り敢えずミカエルはどこだ？」
si「待て待て、トントン落ち着いて!どうどう」
tn「落ち着いてるで？すごーく落ち着いてる」
この言葉に嘘はない、自分でもビックリするほど俺は冷静である。ニコリ、とぺ神に笑いかけると彼は溜息を吐いて頭をかいた。
si「今は無理」
ｽﾞ「すみませんトントンさん。今、ミカエルも参ってる状態で……落ち着いたらトントンさんの所に向かわせるんで今は勘弁してやってください」
si「それにAちゃんも、今はズール以外会わせちゃダメだって言ってたし」
tn「Aが？」
si「……何か思う事があったんでしょ」
困ったように笑う彼の言葉に思わず口を閉じる。
si「ミカエルもAちゃんも血が苦手だからね。二人とも色々と参っちゃってるから、だから詳しくは後日ね。俺からもグルッペンに言っとくから、取り敢えず今日はそのメモった事だけ報告してきな」
そう言ったぺ神に俺は背中を押されて診療所を追い出された。扉を出る際「俺からのサービス」とぺ神に渡された小さな紙袋を見て思わず苦笑する。
彼女の名前と服用の際の注意事項が書かれた痛み止め。
彼女に会う口述を作ってくれたぺ神に感謝しながら、俺はグルさんの元へ足を進めた。
・
・
・
gr「…なるほどなぁ、」
俺の報告を聞き、書類の山々に囲まれながら顔を険しくして唸るグルさん。彼はおもむろに立ち上がると近くのソファに寝転がり「あー」と声を上げた。
gr「負傷者が出ちまうと言い訳もくそもねぇからな。こちらに事情があっても暴発して負傷者が出てしまったという事実だけが伝わってしまう。するとどうなるトントン先生？」
tn「え、あ……信用が落ちる？」
gr「そういうことだ。まあ、Aの事だから何かいい打開策を考えてくれるだろうという勝手な希望を抱いて……はい、トン助行ってこい」
tn「は、はい、？」
gr「その薬袋を持っとるってことは、これからAとこ行くんやろ？俺は今体を休める事に忙しい。さっさと言ってこい」
tn「……はぁ、休憩は15分やでグルさん」
gr「………ぉぅ」
ゴロンと寝転がってニヤニヤ笑う上司を睨みつけ、ひとつ溜息を残して俺は総統室を後にした。
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蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
