episode62 ページ15
gr「ようやく来たか。待ちくたびれたぞ」
扉を開けてまず先に目に入ったのは、綺麗にセットされた沢山の見たことな無い料理たち。空腹を誘う香ばしい香りが優しく鼻腔を刺激する。
す、凄い。これ食べていいの？
そんなことを思いながら固まっていると、ぽん、とレラおじさんに肩を叩かれた。
kr「ほら、自己紹介」
ニコリ、と優しく笑いかけるレラおじさん。そんな彼からの言葉を受けて、私は深呼吸をしながら料理に向けていた視線を少し上に持っていく。
興味深そうな目、警戒する目、心配する目、不思議そうな目、そんな沢山の視線を受けながら、私はゆっくりと口を開いた。
「お初目にかかります、ロシフ国元技術准尉のA・カラシニコフです！よろしくお願いします！」
緊張で声が震える中、なるべく聞き取りやすいようにハキハキと話し、心臓を抑えながら深々と頭を下げた。
パチパチと聞こえる拍手の音。
それが段々と小さくなってきた頃に、ゆっくりと頭を上げた。
クラレ先生たちは定位置が決まっているらしく、そそくさと自分の席に着いてしまった。それを横目に見ながら黙って立っていると、「A」とグルッペン総統に名前を呼ばれた。
彼の手招きに誘われ、グルッペン総統の隣に近づく。酒の入ったグラスを渡されたかと思うと、ぐっ、と肩を寄せられた。
gr「さて、……酒は手に持ったか？」
その言葉に合わせ、ガタガタと音を立てながら、座っていた幹部や補佐官たちがグラスを手に持ちながら立ち上がる。
gr「Aは素晴らしい技師だ。きっと我々国の新しい未来を切り開く、そんな大事な存在になるだろう。では諸君、新たな仲間と我々の明るい未来に────乾杯ッ！！！」
「「「乾杯！！！」」」
グルッペン総統の音頭に合わせて、部屋に響く、乾杯、の言葉。私もそれに合わせるように慌てて声を出すと、頭上からクックッと喉を鳴らして笑うグルッペン総統の声が聞こえた。
gr「A、酒は大丈夫か？」
「あ、はい！大好きです！」
gr「なら良かった。今宵は無礼講だ、沢山食べて沢山飲んで、沢山笑え。これからよろしく頼むゾ」
「はい！」
ぽん、と叩かれる背中。
それに合わせて、私は目の前に差し出されたグルッペン総統のグラスに自身のグラスを寄せ、チン、と音を鳴らした。
gr「今日の主役はお前だ、A」
‥
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蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
