episode61 ページ14
kr「いや〜、なんとか間に合った」
「間に合ってないよ…10分も遅れてるよ」
nt「大丈夫っすよ、ここは15分までは遅刻じゃないんで」
「いやいや遅刻ですよ」
早歩きで進む城内。
食堂の場所は知ってはいるものの、1度も行ったことがないので私は二人の後ろを続いて歩く。
結局城に着いたのはとっくに日が暮れた頃で、ただいま食事開始と予定を10分過ぎたところだ。
キリキリと痛む胃に気付かないふりをして、私は呑気な二人の背中を押して必死に進む。
この国の幹部やその補佐官
そしてトップの総統
国の重鎮たちが集まる食事に新米である私が遅れてくるなどあってはならない事だ。この国では分からないが、ロシフ国では確実に首が飛ぶ。
無事に首の皮が繋がったとしても、今回のこの食事は初の顔合わせ。第一印象が遅刻とか絶対裏で馬鹿にされる。
ぐるぐると考えて目をまわし、ひとり焦る私を見たレラおじさんは、ふふ、と笑った。
kr「大丈夫だって。よそはよそうちはうち。ロシフ国がどんなだったか知らないけど、ウチはそんなに心が狭い国じゃないから」
「………それもそれでどうかと思うけど」
なんて軽口を叩いてると、一つの大きな扉の前に着いた。
そして、その扉の前には──
ｽﾞ「あー！！やっと来たァッ！！！お前、俺だってこんなん呼ばれるの初めてなのに！！」
いつも通りの作業着を着たズールが一人寂しく扉の前には膝を抱えており、私たちの姿を確認した瞬間、凄まじいスピードで距離を詰めてガクガクと私の肩を前後に揺らす。
どうやら今回で幹部補佐(仮)になったズールもこれからここで食事を摂るらしく、ずっと一人で私たちを待っていたようだ。
凄く申し訳ない。
でもそろそろ気持ち悪くなってきたので、揺さぶるのはやめて欲しい。
kr「いや〜申し訳ない申し訳ない！つい話し込んでしまって〜」
ｽﾞ「ほんとっすよ……珍しく今日は誰も遅刻してないみたいだし…みんな待ってるんで早く行きましょ」
ごめんね〜、とツンツンとクラレ先生に頬をつつかれながら、ズールは眉間に皺を寄せて溜め息を吐いた。
nt「緊張してるんスか？」
「へ？あ、はい…少しだけ…」
嘘です。滅茶苦茶緊張してます。
そんな私の想いが伝わったのか、ナタリーさんはクスクスと笑って私の背中に手を添えた。
nt「大丈夫っスよ、みんな良い人達だから」
そう言ってふわりと笑うナタリーさん。
ちょっとだけ、心が軽くなった気がした。
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蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
