episode48 ページ1
shp「なんかウチの糞先輩がすみません…あの人気分屋なんで……」
「い、いえ全然」
くしゃくしゃになった髪をズールに直してもらっていると、コネシマさんが出ていった扉の方を見ながら、ショッピさんは申し訳なさそうな声を上げた。
なんというか、コネシマさんは凄く不器用な人なんだなって──そう思った。
私の考えが何となく伝わったのか、ショッピさんは重い息を吐きながら苦笑いをした。
si「さ、お喋りもそこそこに、Aちゃん掌見せて」
はい、と短く返事をしてパッと掌を開くと、傷が少し深かったのか血がどぱっと溢れて来てしまった。
どくどくと掌から流れる血に思わず固まっていると、ペ神さんがくすくすと笑いながら手早く手当をしてくれた。
si「なぁに？もしかしてAちゃん血が苦手？」
「……はい、ちょっとだけ」
si「…そっか」
──苦手というか、嫌いだ。
嫌でも昔のことを思い出してしまうから……なんて、勿論そんな言葉は口に出さず飲み込んで、建前を述べる。
思わず溜息を吐くと「幸せ逃げるで」と笑われてしまった。
shp「せや、Aさん。バイクって知ってはりますか？」
「バイク…？ああ、もしかして車の起源になったって言う二輪車ですか？」
shp「そうです。技術部の皆さんには俺らの部隊で使っとるバイクや車の点検もしてもらってるので、時間がある時に一度どういうものか確認してもらってええですか？」
「もちろん」
バイクか…一度だけ見たことがあるが、凄く面白い構造をしていたな……
ぽやぽやとそんなことを考えていると、ショッピさんの治療も終わったのか、ペ神さんが「よし！」と声を出して立ち上がった。
si「ショッピ君は靭帯は傷ついてないっぽいから、患部を冷やして2日は絶対安静ね。一週間は様子みて訓練に参加とかは自分で判断してね」
shp「了解っす。ありがとうございました」
si「はい杖」
shp「あざっす」
よいしょ、と声を出しながら杖をついて立ち上がったショッピさん。彼はぺこりと私たちに頭を下げると、のそのそと扉へと歩いていった。
shp「……あの、Aさん。多分コネシマさんはあんな風ですけど、貴女のことちゃんと仲間だって認めとると思います。だから、その…あまり先輩の事は気にしないで大丈夫ですよ」
背を向けたままそう言うと、彼はそのまま治療室から出ていった。
あの先輩あって、この後輩だな。
不器用な似たような二人に、私はくすりと笑った。
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蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
