121 zm ページ45
『ゾム君逃げて！』
zm｢え？｣
rd｢んははは、逃げる前に捕まえてやる……って、いだだだだ！Aちゃんお腹摘まないで！｣
『よし！今だゾム君！』
zm｢え、な、なんかよく分からんけど逃げればええんやな！｣
ワシっ、と血まみれの男の腹に巻きついたAの言葉に従って俺は地を蹴ってその場から離れた。Aと血まみれの男の様子を見るに仲が良さそうで、俺が離れたからと言って彼女に危害を加えるとかそういうことは無いだろう。
そんな謎の自信のもと全力で廊下をかけていると、背後から俺以外に聞こえるもうひとつの足音。
体が強ばる中、足を止めることなくゆっくりと後ろを振り返ると。
rd｢ゾォォォムゥゥ！！｣
zm｢おわぁぁぁ！？なんでやァァァ！！｣
『ぐぅ、ゆ、ゆれて気持ちワル…うっ、』
rd｢こうやって抱え込んじゃえばAちゃんなんて怖くないやい！最初からこうしてれば良かった｣
不気味な笑顔を携え、Aを脇に抱えてものすごいスピードで追いかけてくる青い鬼。
ぞわぞわぞわっ、と沸き立つ鳥肌に気付かないふりをして俺は全速力で逃げた。
廊下をくねくねと曲がりまくったり、わざと教室の窓から逃げ出し別棟の教室に飛び移ったり。必死に血まみれの男を撒くことだけを考えて学園中を走り回る。
初めて感じる恐怖。終わりの見えない鬼ごっこに心が折れかけたその時、見覚えのあるニット帽が呑気にゆらゆらと口笛を吹きながら歩いているのが目に入った。
zm｢シャ、シャ、シャ、シャオロン！！｣
sha｢おっなんやゾム。遊びの誘いか？悪いけど俺今日は用事があっ…ぐぇッ！？｣
zm｢頼む！オレの盾になってくれ──！！｣
力いっぱいシャオロンを羽交い締めにしてそう懇願すると、シャオロンは顔を真っ青にしながら俺の手を振りほどいた。
sha｢何すんねんゾム！！落ち着けや！！｣
zm｢こっ、怖い先生に追われとるんや！！不気味で、無表情で、何考えてるかわからん先生が…ずっとオレのこと追ってくんねん！！｣
sha｢不気味で無表情って…お前それ──バラム先生だろ！気に入った生徒を攫って実験台に使ってるってウワサ聞いた事あるで。いや〜気に入られちゃったんですねゾムさん……お気の毒に……｣
プークスクスと馬鹿にしたように笑うシャオロンに｢違う！｣と身振り羽振り否定する。
zm｢全然見たことない先生やってん！とっ、とにかく早く逃げんとAの犠牲が無駄になってまう！｣
sha｢え、Aの犠牲って──｣
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蛇狐(プロフ) - 椿さん» ご指摘ありがとうございます！予測変換で表記がおかしくなってしまったのかもしれないです。教えてくださりありがとうございます！ (2021年1月3日 19時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 悪魔周期じゃなくて悪周期じゃありませんでしたっけ (2021年1月3日 18時) (レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - もえさん» ほんとだ！ご指摘ありがとうございます！！ (2021年1月3日 8時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 122の「たまに学校におる若い教師」がshaではなくrdになってます！(小声) (2021年1月1日 9時) (レス) id: 9b854a058e (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - sakuyo1122さん» 初めまして、コメントありがとうございます！頑張ります！ (2020年12月8日 1時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月13日 17時
