114 ページ38
まるでゴキブリのごとく次々と湧いて出てくる彼らに心底げんなりしながら私は溜息を吐いた。初めての選択授業なのにこれってどうなのさ。
二度あることは三度あった彼らの愚行を思い出し頭を抱える。絶対……絶対次も来る。
そんな私の予想はバンッと開かれた扉によって当たってしまった？
｢粛に｣
ﾗｲﾑ｢えっ…カルエゴ先生…！？｣
｢ここ最近生徒たちの授業態度が悪化していることを鑑み──しばらくの間この授業も監視対象とさせていただく。皆、厳粛に臨むように｣
なんか、違う…………
現れたのはモッフモフの顔にカルエゴ先生のお面をつけたフラッフラと不安定に動く謎の人物。いや、十中八九彼ら変態たちだ。
私はコソッと胸元から使い魔召喚の小さな紙を取り出す。こんな事で喚びだすのは大変申し訳ないけれども……ちょっと先生として働いてもらおう。
使い魔の授業で習った召喚を皆にバレないようコソコソと行い私はラッダァを呼び出した。
ぼふんっ、と現れたラッダァは何故かまたもや血塗れで急に呼び出したせいか目を丸くしてキョロキョロと辺りを見回していた。
『ラッダァ、ちょっとお願いしたいことがあるんだけどいいかな』
rd｢う、ぉ！？ちょっといきなり呼ぶのはやめてよ！今拷問学の授業を──｣
『それは本当にごめん！でもちょっとあの2人を連れ出して欲しくて…』
rd｢あの2人…？……っ、ぶッはははは！なんじゃありゃカルエゴ先輩のコスプレ？んはははッ｣
わけを話してカルエゴ先生もどきを指さすと、それを見たラッダァは腹を抱えて爆笑した。あの2人に皆視線を奪われている間にと、コソコソとバレないように話していたのにラッダァの笑い声で皆の視線が痛い。
私は出来るだけ知らない人を装いながら｢早く｣と彼へ目配せをすると、ラッダァはやれやれといったふうにカルエゴ先生もどきに近づき、ポン、と肩に手を置いた。
rd｢なーにしてんのかなぁ？男子禁制のはずなんだけどなぁ〜｣
ｶﾑｲ｢な、｣
ut｢なぜ…バレ……｣
rd｢カルエゴ先輩のコスプレなんてしちゃって、随分と先輩が大好きみたいだから俺と一緒にカルエゴ先輩の所、行こっか♡｣
｢ア゛ア゛ｱ゛ァ゛ｧ゛｣という野太い叫び声と廊下を引きずる何かの音を聞き、私はラッダァに感謝をしながら教科書を開き直した。
さて、残りの時間も頑張るか。
──この数十分後、初日の宿題として出された課題に頭を悩まされることになる事を、私はまだ知らない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2297人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蛇狐(プロフ) - 椿さん» ご指摘ありがとうございます！予測変換で表記がおかしくなってしまったのかもしれないです。教えてくださりありがとうございます！ (2021年1月3日 19時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 悪魔周期じゃなくて悪周期じゃありませんでしたっけ (2021年1月3日 18時) (レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - もえさん» ほんとだ！ご指摘ありがとうございます！！ (2021年1月3日 8時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 122の「たまに学校におる若い教師」がshaではなくrdになってます！(小声) (2021年1月1日 9時) (レス) id: 9b854a058e (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - sakuyo1122さん» 初めまして、コメントありがとうございます！頑張ります！ (2020年12月8日 1時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月13日 17時
