episode2 ページ2
あの戦争から三ヶ月がたった。トントンの傷も完璧とまでは言わないが、ほぼほぼ完治した。
車椅子の操作にもなれ、スイスイと一人で城を移動するまでに上達した。
もう戦場には立てない。俺の隣に立つことはできない。
そう言ってトントンは書記長という地位を降りようとしたが、俺や他の幹部が全力でなんとか引き止めた。
自身の右足を見て、諦めたように笑っていても、俺は……俺らは知っている。
お前が陰で剣を振り、悔し涙を流しているのを……
トントンは、まだ諦めていない。
それなら、やることはひとつだろう？仲間なら黙って手を貸し背中を押してやる。
ただそれだけ。
gr「大丈夫やトン氏。俺らは絶対お前を見捨てん。絶対に助けてやる」
総統執務室から見える訓練場で、明かりをつけずに一人車椅子に乗り、暗闇の中打ち込み台に剣を振り下ろすトン氏を眺めながら、俺は拳をキツく握りしめた。
＊
ut「はい、俺はこの2人」
rbr「俺はこの3人やな」
大先生やロボロがまとめた資料の束がパッと俺の机に置かれた。
そのうちのひとつを手に取り、パラパラと内容を見る。
ut「あんましええ人おらんな〜」
rbr「ほんま。やっぱ特技兵は大方兵器開発や爆弾処理が専門だから、見つけるの大変やわ……」
口を揃えてゲンナリと愚痴を吐く2人の目元にはくっきりと隈が浮かび上がっており、今回の件の難航具合が伺える。
ut「やっぱ義足専門の技師は中々おらんな。我が国しかり、どの国も兵器開発ばっかで需要のあまりない義足義手のレベルは底辺。あんまし期待せんほうがええかもしれんで？」
gr「……やっぱ他国に頼らず自分らで頑張って開発するしかないか」
rbr「まぁ俺らも、もう少し頑張って探してみるけど、それを主軸にしてった方がええかもしれんな〜」
「「「はぁ……」」」
トントンが書記長室に篭っている間にこっそりと開いた会議。そこで、トントンに義足をつくり専属の技師をつけさせることが決まった。
が、中々いい技師が見つからない。
せいぜい歩けるようになる程度で、走ることもジャンプをする事もできない脆い義足をつくる技師や特技兵ばかり。
溜め息が止まらない。
沈んだ気分の中、今日も三人でゴミと化した紙束をパラパラめくっていると、滅多に鳴ることのない黒電話がジリリリリと鳴り響いた。
自身の机の上で暴れ回る黒電話に顔を顰めながら、俺は乱暴に受話器を取り上げた。
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蛇狐(プロフ) - イチゴダイスキさん» へへへ、ありがとうございます！(神様では)ないです。 (2020年12月13日 15時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴダイスキ - え？え？え？神様ですか？そうですね？なんでこんな神作品作れるですか！！もう無理好キィ(鼻血) (2020年12月12日 20時) (レス) id: f02fd4c99a (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - ゼネヴァンスさん» ありがとうございます！これからも隻脚をどうぞ宜しくお願いします！v (2020年8月10日 1時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
ゼネヴァンス(プロフ) - お気に入り1000人以上になりましたね！！！おめでとうございますっ！！！！ (2020年8月10日 0時) (レス) id: d6da2f5e2e (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 紗稀さん» ひぇ……とてもありがたいお言葉ありがとうございます！読者さんや相互さんのお陰で成り立ってるようなものなので……笑 頑張って更新していきます！v (2020年8月9日 23時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年7月29日 17時
