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出会い ページ5

キュッ キュキュッ

リスを連想させる鳴き声が聞こえた
『…』

ゼノが目線を下に下げると
足元でゼノの顔を見つめ返すリスがいた

キュウッ
リスがゼノの肩に飛び乗る

『…動物は心穏やかな者に惹かれると聞くが』

不安定なそこに座り頬に頭を擦り付けてくる

『君は見る目がないな』

リスの頭をゼノの細い指で撫でる
爽やかな風が頬を撫で、木々が共鳴する



「まってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

そんな一時は早く終わるように感じた
…《否》早く終わった

『!……?』

ゼノはとっさに体を固くした
ッドーン



「……」

『……?』



反射的に瞑った目を開くと目に映る黄緑

尻もちをついたような体制のゼノに跨る
黄緑髪の《少女》が見えた

ちらりと横を盗み見れば
先程のリスはどこかへ消えていた


「…………」ポー



沈黙に腫れを切らしたゼノは言葉を投げつけた

『…どいてくれないか』

「…ハッ!」

ハッとしたように少女が目を見開き
黄緑色の瞳でゼノを見つめる


「私クララ!!右足がコナーで!左足がマフ!さっきのズドーンってすごかったね!!綺麗な目!!飴ちゃんみたい!!あ、飴ちゃんいる?」


頬をほんのり高揚させキラキラとした瞳で自己紹介をする《クララ》

『…』


一方ゼノは潔癖症による症状が現れないことに首を傾げていた
…否、比喩である 実際に傾げている訳では無い


「今ね今ね!リスを追いかけてたの!!どっか行っちゃったみたいなんだけど!、こんなに動物が沢山いるとね!いーっぱい捕まえたくなっちゃうよね!」

『……そうだろうか』

「すっごいキレイなお顔!!ズドーンってしたときにね!ずっと見つめたくなったよ!!これって魔法?」

『…』(綺麗、)


綺麗な顔
そのような世辞など聞き飽きたというのに
目の前の少女から投げかけられた言葉が
ゼノは世辞などには聞こえなかった


「その制服!バビルスの生徒!私知ってるよ!!
ねぇねぇ!今からかけっこでどっちが先にバビルスに着くか競争しない?」






『…とりあえず』


「とりあえず?」


『どいてくれないか』

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作者名:ノア | 作成日時:2022年8月29日 1時

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